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耳鼻咽喉科専門医×気象予報士 特別対談 花粉症に備える

気象予報士の河島みれいが、花粉症について専門医の岡本美孝先生にインタビュー

花粉症は、今や国民の10人に1人、とも言われる国民的疾患。毎年この季節に悩まされる方も多いのではないでしょうか?
今回は、気象予報士の河島みれいが、花粉症について専門医の岡本美孝先生にインタビュー。
対策方法や花粉症のこれからについて、お話を伺いました。

岡本 美孝先生
千葉大学大学院教授
専門:耳鼻咽喉科、特に花粉症などの鼻アレルギーの診断と治療
河島みれい
気象予報士
tenki.jpの日直予報士も担当中

花粉症対策は早めが肝心 症状が出てからでは、薬の効果が出にくいことも

河島:一年のうちでも、寒さの厳しいこの季節。症状が出でも、花粉症と風邪の区別がつかない場合も多いと思います。花粉症と風邪はどう見分ければいいのでしょうか?

岡本:花粉症と風邪の見分け方はなかなか難しいんですよ。併発する場合もあるので、例えば風邪によって花粉症が悪化している場合もあります。また、花粉症の代表的な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみですが、人によって症状の出方は異なります。せきが出る場合もあります。病院では、患者さんからお話を聞き(問診)、出ている症状が花粉症によるものなのか、必要に応じて検査を行います。問診や検査結果をもとに「花粉症かどうか」を診断し、それぞれの症状や程度に合わせて薬を処方するなどの治療を行います。

花粉症対策は早めが肝心 症状が出てからでは、薬の効果が出にくいことも

河島:花粉症は、早めの対策がポイントと言われていますが、いつお医者さんにかかればいいのでしょう?今年の春のスギ花粉は、2月の中旬に、四国・東海・関東地方から飛び始める予想です。これは、例年の花粉が飛び出す時期と比較しますと、 同じかやや遅い見込み。西日本と東日本は例年と同じか遅く、2月中旬から下旬の見込みで、東北地方は例年と概ね同じで2月下旬に飛び始めるところがある見込みですが…。

岡本:早めに治療を開始することで症状を軽減することが期待できますので、本格的な飛散が始まる前・症状が軽いうちに、病院でお医者さんに相談して下さい。飲み薬のなかでも、抗ヒスタミン薬は即効性があって、くしゃみや鼻づまりを改善してくれます。

河島:薬を服用する際に、注意すべきことはありますか?

岡本:抗ヒスタミン薬については、市販薬だと眠気が強く出てしまうものもあります。車を運転する際には服用しないなど、服用方法には注意してください。最近では、市販薬にも眠気が抑えられるものが出ていますが、全く眠くならないということはありません。また、薬はその人の体質やその日の体調などによって、体に合わないこともあります。服用した本人が、眠気があることに気付かず活動している(インペアード・パフォーマンス)ということもあるので十分に注意が必要です。なお、病院では、従来よりも眠気が抑えられる薬を処方していますので、車を運転する方や眠気が気になる方は、ぜひ病院でお医者さんに相談して自分に合った薬を見つけてください。

河島:「自分にはどのような症状が出るのか」をお医者さんにきちんと伝え、薬を上手に使うことが大切ですね。

マスクでの予防 天気予報や花粉情報のチェックもお忘れなく

マスクでの予防 天気予報や花粉情報のチェックもお忘れなく

河島:花粉症の、根本的な治療はありますか?

岡本:医療機関で「減感作(げんかんさ)療法」を受けるという方法があります。減感作とは、一種の体質改善を図る方法です。ただ、2~3年という時間のかかる治療で、長期的に取り組むことが必要です。また、改善率は7割と高いのですが、完全に治る人は2割にとどまります。

河島:やはり手軽な抗アレルギー薬が主流なんですね。それから、天気予報や花粉情報をこまめにチェックし、なるべく花粉を取り入れない生活をしたいですね。

岡本:一日のなかで、花粉の飛散量にも差があるんですよね?

河島:はい。一日のうちでも、花粉の多い時間帯と、少ない時間帯があります。朝日が昇る頃から、飛散する花粉はどんどん増えていき、とくに、昼前から午後3時頃までが花粉の飛ぶピーク。この時間帯だけでも、なるべく室内にいたいものです。
また、雨上がりの翌日、晴れて気温が高い日、空気が乾燥する、風が強い日は花粉が飛びやすい日なので、外に出る場合には、マスクをすることをおすすめします。やはり、マスクは身近にできて、効果のある対策方法なのでしょうか?

岡本:自分の体の中に花粉を取り込まないようにするには、マスクがいいですね。花粉症を発症する予防にもなります。学校でも花粉情報を確認し、飛散が予想される日は窓を開けない、などの工夫をしているそうです。

河島:晴れて風のある日は、なるべく窓を閉め、洗濯物なども室内干しにしたほうがよさそうですね。外出先から帰ったときも、玄関の外で花粉をはらうなど、「とにかく室内に花粉を入れない」ことが大切です。

世界の花粉症 日本ではこれからはヒノキの花粉症にも注意

世界の花粉症 日本ではこれからはヒノキの花粉症にも注意

岡本:花粉症患者は年々増加しつつありますが、スギ花粉の飛散量は、今後さらに増えるのでしょうか?

河島:はい。花粉の飛散については、地球温暖化の影響も指摘されています。日射量が増加して、平均気温が上昇すると、スギにとって成長しやすい環境になるという意見もあります。
そして、近年では、集中的に植林が行われたヒノキが樹齢50年の壮年期を迎えているので、今度はヒノキによる花粉症も増える見込みです。

岡本:花粉症はスギやヒノキに加えて、北海道ではシラカバによる花粉症患者が多いですね。その他、ブタクサやイネ科、ヨモギ、キリンソウなどもあります。花粉症患者は一年中います。

河島:一年中…確かに、近頃春先以外でも、花粉症に困っている、という話を耳にする機会が多い気がします。また、花粉症患者は日本だけでなく世界中にいると聞きましたが…。

岡本:スギ花粉症の原因となるスギは、実はほぼ日本でしか見られない植物です。外国には今のところ、スギ花粉症はほとんどないと言っていいでしょう。アメリカではブタクサ花粉症、イギリス、ドイツではヒノキやイネ科の牧草や雑草によって花粉症になる人が多くいます。

河島:世界には、各地の気候や植生に起因する花粉症があるんですね。花粉症は人類共通の悩み、なのかもしれません。

花粉症は遺伝する? 子どもの花粉症対策とは

花粉症は遺伝する? 子どもの花粉症対策とは

河島:世界中で花粉症が広まっている、その原因はあるのでしょうか?

岡本:花粉症が増えている背景には、一つには環境などの変化があると考えられています。具体的には、スギ花粉が増加していること、食生活が変化したこと、大気汚染やストレスも要因となっています。
ヨーロッパでの実験によると、飛んでいる花粉の量が同じなのに、都市部と郊外では、花粉症患者数に明らかな差がありました。都市部に圧倒的に患者が多いのですが、その理由は食生活をはじめとする生活スタイルが違うことが一因ではないかと言われています。

河島:最近では、小学生など若い世代の花粉症患者が多いようですが?

岡本:そうですね。花粉症は遺伝とも関連があるので、親や兄弟が花粉症の場合は特に注意が必要です。必ずしも遺伝するわけではありませんが、一度発症してしまうと、子どもはなかなか自然に改善しないケースがほとんどです。また、子どもは自分の症状をうまく伝えることができません。子どもが花粉症だと気付かず、鼻炎や風邪だと思ってしまう大人も多いです。

河島:子どもの場合も、大人と同様にマスクの着用やうがい・手洗いなどが花粉対策に効果的です。また、花粉症の疑いがある場合には、お子さんのためにも、お医者さんで早めの診察・治療を心がけたいですね。

花粉前線

花粉前線

花粉症に備える

  • 花粉症に備える・特別対談
  • VOL.1特別対談
  • 花粉症について、気象予報士が耳鼻咽喉科専門医にインタビュー。花粉症対策の心得をお届けします。
  • VOL.2ある日突然 花粉症に?
  • 花粉症の方もそうでない方も、今日からはじめられる、花粉症対策の方法をお知らせします。

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