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1日は関東から北海道で雨脚強まる 北海道白老町では観測史上1位の記録的な大雨

2025年10月01日10:02

日本気象協会 本社青山 亜紀子

今日1日は、関東から北海道を中心に発達した雨雲がかかり、北海道胆振地方・白老町の森野では観測史上1位の大雨に。日中から夜にかけても大雨になる所があるため、低い土地の浸水や川の増水・氾濫などに注意・警戒を。

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北海道白老町の森野 観測史上1位の大雨

今日1日は、気圧の谷や上空の寒気の影響で、北陸や北海道を中心に発達した雨雲がかかり、北海道では記録的な大雨となっている所があります。

北海道胆振地方・白老町の森野では、1時間降水量が123.5ミリ(~6:21)、3時間降水量は274.0ミリ(~7:50)と、観測史上1位となる大雨。たった3時間で、10月平年ひと月分の雨量を超えました。白老町では、降り続く大雨で土砂災害の危険度が高まっているため、安全な場所に避難してください。

東北や北陸でも激しい雨が降り、1時間降水量は宮城県塩釜市で37.5ミリ(~9:00)、福井県福井市の越廼(こしの)で31.0ミリ(~5:21)、石川県輪島市の舳倉島(へぐらじま)で30.5ミリ(~5:52)を観測しました。

夜にかけても局地的に大雨

今日1日の日中から夜にかけても、関東や北陸、東北は曇りや雨。北海道は、日本海側と太平洋側西部を中心に雨が降るでしょう。雨がやむ時間があっても、急に強まる雨や落雷、竜巻などの激しい突風、ひょうなどに注意が必要です。

局地的には、バケツをひっくり返したような激しい雨が降るでしょう。予想以上に雨雲が発達し、雨量が増えるおそれもあります。アンダーパスなどの低い土地の浸水や、地下街などへの浸水、川の増水などに注意・警戒してください。

晴れる沖縄や九州から近畿、東海でも、所々でにわか雨や雷雨がありそうです。

大雨の時に危険な場所

大雨の時、安全を確保するために以下の点に注意してください。

① 河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。

② 運転の際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によってドアが開かなくなったりして車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。

③ 山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。

④ 地下は浸水するおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。

竜巻の発生しやすい気象状況

竜巻が発生しやすい気象状況になると、気象庁は「竜巻注意情報」を発表して、注意を呼びかけます。また、「雷注意報」が発表されている時や、天気予報で「大気の状態が不安定」とコメントする場合も、竜巻が発生しやすくなります。ただ、屋外にいる時など、「竜巻注意情報」や「雷注意報」の情報を得ることができない場合もあります。竜巻が発生するのは「発達した積乱雲の下」ですので、普段から、積乱雲が近づく前触れを覚えておきましょう。

①昼間なのに真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる。
②ゴロゴロという雷の音が聞こえたり、雷の光が見えたりする。
③ヒヤッとした冷たい風が吹く。

また、大粒の雨が降りだしたり、ひょうが降りだしたりします。ただ、竜巻の前にこれらの前触れが必ず発生するとは限りませんし、ハッキリしない場合もあります。少しでも異変を感じたら、早めの避難が必要です。

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青山 亜紀子

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