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晴れていても油断禁物 東日本を中心にゲリラ雷雨に注意

2023年08月20日12:37

日本気象協会 本社日直主任

きょう20日(日)は、きのう19日(土)以上に大気の状態が不安定。午前から関東甲信を中心に雨雲が発達しています。今夜はじめ頃にかけて、山沿いだけではく、平野部でも急な激しい雨や落雷、竜巻などの突風に注意が必要です。

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午前から雨雲・雷雲が発達

きょう20日(日)は、きのう19日(土)以上に大気の状態が不安定です。

午前中から近畿~関東を中心にハイペースで気温が上がり、最高気温35℃以上の猛暑日が続出。この気温上昇や湿った空気の影響で、東日本を中心に午前から雨雲や雷雲が発達しています。

1時間雨量は、山梨市の乙女湖(おとめこ)で38.0ミリ(11:12まで)と、激しい雨が降りました。

また、北日本は前線の影響で、北海道や青森県などで、1時間に30ミリ以上の激しい雨の降った所があります。

※雲放電:図の雲放電とは雲の中や雲と雲の間などで発生する放電のことです

東日本を中心ゲリラ雷雨に注意

発雷確率(雷が発生する確率)をみると、関東甲信や東海を中心に、80%以上と非常に高くなっています。山沿いを中心に、平野部でも今夜はじめ頃にかけて急な雨や雷雨に注意が必要です。山で雷雨があると、下流の川は晴れていても急に増水することがあるためご注意下さい。

また、北海道はこのあとも曇りや雨で、雨脚の強まる所があるでしょう。東北は前線や湿った空気の影響で所々で雨が降り、北部を中心に1時間に40ミリ以上の激しい雨が降る所もあるでしょう。特に、岩手県では、ここ数日たびたび活発な雨雲がかかり、地盤の緩んでいる所があります。今後の雨によって、土砂災害の危険度が再び高まるおそれがあるため注意が必要です。

ゲリラ豪雨の前兆

ゲリラ豪雨(局地的な大雨)の、前兆となる現象は、大きく3つ挙げられます。
① 「真っ黒な雲が近づいてきた」
ゲリラ豪雨(局地的な大雨)をもたらすような、発達した積乱雲は、真っ黒に見えます。黒い雲が速いスピードで動いているように見えたり、晴れていたのに、急に空が暗くなったりするのも、ゲリラ豪雨(局地的な大雨)のサインの一つです。
② 「雷の音が聞こえてきた」
ゴロゴロという音が聞こえてきたら、雷雲が近づいています。また、稲妻が見えるのも、ゲリラ豪雨(局地的な大雨)のサインの一つです。
③ 「急に冷たい風が吹いてきた」
発達した積乱雲からは、雨粒とともに、冷たい風が勢いよく吹き降りてきます。風の変化にも、注意が必要です。

このような前兆を感じたら、すぐに安全な所へ避難してください。また、雷注意報が発表されている時や、天気予報で「大気の状態が不安定」、「天気が急変」という言葉を聞いた時には、ゲリラ豪雨(局地的な大雨)の可能性がありますので、ご注意ください。

屋外で雷に遭遇したら

外にいる時、雷雲が近づいているかどうか、誰にでも簡単にわかる方法があります。雷雲が近づくサインは3つ。「真っ黒い雲が近づく」「ゴロゴロと雷の音が聞こえる」「急に冷たい風が吹く」です。このような変化を感じたら、まもなく激しい雨が降ったり、雷が鳴ったりする恐れがありますので、すぐに安全な所へ避難してください。

雷雲が近づく時、避難する場所は、近くのしっかりした建物や、車の中が良いでしょう。木の下での雨宿りは、木に落ちた雷が人に飛び移ることがあるので、危険です。万が一、周囲に避難する場所がない時は、両足をそろえて、頭を下げてしゃがみ、両手で耳をふさぎましょう。

単独の雷雲による激しい現象は、30分から1時間程度で弱まることが多いです。スマホなどで雨雲レーダーをチェックするなど、最新の情報を確認しながら、安全な場所で雷雲が過ぎるのを待ちましょう。

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