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台風19号 厳戒態勢を促す鋭い眼

2019年10月09日16:35

日本気象協会 本社樋口 康弘

気象衛星が捉えた画像には台風の眼がクッキリと。台風第19 号に厳戒態勢を!

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台風19号 現在状況

台風19号は9日午後3時現在、小笠原近海にあって、1時間におよそ15キロの速さで北北西へ進んでます。中心の気圧は915hPa。中心付近の最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルで、中心から半径240キロの範囲では風速25メートル以上の暴風が、中心から半径650キロの範囲では風速15メートル以上の強い風が吹いています。「大型」で「猛烈」な勢力を維持しています。9日午後3時の気象衛星ひまわり8号が捉えた雲画像では、台風の中心の眼が明瞭になっていて、かなり発達していることが伺えます。

予想進路(午後4時発表)

今後も北寄りに進み、あす10日午後3時には【猛烈】な勢力で日本の南に達する予想です。その後、11日金曜日には【非常に強い】勢力に変わるものの、進路を北東に変えて、【非常に強い】勢力を保ったまま、12日から13日にかけて、西日本から東日本に接近または上陸するおそれがあります。台風が接近する地域では、先月の台風15号、去年9月の台風21号と同じ程度の暴風が吹き荒れるおそれがあります。13日以降、台風は速度を上げながら東北地方の東の海上を進み、温帯低気圧に変わる見通しです。

台風19号 警戒期間

・小笠原諸島では既に風が強まっていて、海上では次第に大しけとなります。あす10日(木)は非常に強い風が吹き荒れ、猛烈なしけが予想されます。
・沖縄の大東島地方や奄美地方でも10日(木)から11日(金)にかけて大しけとなりますので、高波に警戒して下さい。

また上図には最新の情報をもとに雨や風、波の警戒期間をまとめました。
九州や四国、中国地方、近畿では11日から12日(土)にかけて太平洋側を中心に波が高くなり、12日は暴風や一部で警報級の大雨になる所があります。
東海や関東、北陸は3連休初日となる12日に雨や風が強まり、東北でも南部では次第に天気が大きく荒れるでしょう。13日(日)は東海や関東、北陸では午前を中心に、台風の進路次第では東北は終日、荒天になる可能性があります。

改めて注意点を確認!

今回の台風19号は、先月の台風15号、去年9月の台風21号と同じ程度の暴風が吹き荒れるおそれがあります。改めて注意点をまとめました。
・命の安全が最優先:大きな災害では、“自分の身は自分で守る"という意識を持つことがとても大切です。
・想定外を想定する:今、自分のいる場所が前回の台風でどうなっていたのか?さらに今後どんな災害の危険があるのか?大規模な災害というのは想定外が重なって発生します。
・情報収集はこまめに:台風による大雨や暴風というのは事前にある程度予測することもできる災害です。普段の天気予報や自治体が発信する防災情報をこまめにチェックして、異変に早く気づくことが肝心です。

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