現在、国が特に力を入れて取り組んでいるのが、「朝食を食べる」「バランスの良い食事をとる」「農林漁業体験をする」の3点。ちょっと聞き慣れない農林漁業体験とは、田植え(種まき)、稲刈り、野菜の収穫、家畜の世話などを通して、米や野菜、肉、魚など、自分で食べるものを育てて収穫することで、食に対する関心や興味を育むというものです。
「朝食を食べる」と「バランスの良い食事をとる」は、わかっているけどなかなかできない!という人も多いのでは。朝食を食べる習慣は、食事の栄養バランス、生活リズム、ストレスなどの心の健康、学力・学習習慣や体力など、毎日の生活に深く関係しているそうですよ。
バランスの良い食事については、他の国々でも力を入れているようです。誰もが意識していることでありながら、実はそれだけ難しいのかもしれませんね。日本では、2005年に厚生労働省と農林水産省によって「食事バランスガイド」が決定されました。これは、1日に、「何を」、「どれだけ」食べたらよいかの参考として、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したものです。
アメリカでは、2011年より「MyPlate」という取り組みが行われています。それぞれ必要な食物のバランスを、赤:果物、緑:野菜、紫:タンパク質、茶色:穀物、青:乳製品と、皿の上で色分けしたイラストが提示されています。イギリスでは、2004年に野菜と果物を1日に5単位以上食べるキャンペーン「5 A DAY」を導入、それを実践するツールとしてアメリカと同様に食物バランスを示した「Eatwell Guide」というフードガイドを配信しています。アジアでは、シンガポールが2014年から「My Healthy Plate」という、皿の上に野菜や果物、肉類、全粒穀物の割合を示した教育ツールを公表しています。
これらの具体的な取り組みは、農林水産省のホームページで公開されており、『「食育」ってどんないいことがあるの?』というパンフレットにもまとめられています。また、毎月19日 の「食育の日」や、その前後の週に各地でさまざな食育の普及啓発活動が展開されており、毎月6月の食育月間にも、国、地方公共団体、関係団体などが協力して、食育を推進する取り組みを実施しています。ぜひこの機会、農林水産省や各自治体のホームページをチェックしてイベントに参加したり、食育の取り組みを実践してみてはいかがでしょうか。
参考
農林水産省ホームページ