地球との最接近の頃には、5等級前後の明るさになると予想されているZTF彗星。条件の良い暗い夜空では、肉眼でも淡く輝く姿が観測できると期待されています。2月上旬から中旬にかけては、十分に空が暗くなった頃に北の空の高い位置に見られるため、観測の好機です。特に、2月8日前後の宵の時間帯には、ZTF彗星の位置が天頂近くになり(東京の場合)、好条件となります。肉眼では、彗星はぼんやりとした光のかたまりのように見えます。市街地の空で観測する場合は、双眼鏡や望遠鏡を使うのがおすすめです。
ZTF彗星は星空を移動しながら、明るい一等星や惑星に次々と接近します。2月5日から6日にはぎょしゃ座のカペラ、2月11日には火星、2月14日から15日にはおうし座のアルデバランの近くに姿が見えます。明るい星を目印にして、彗星を探してみましょう。
ZTF彗星が前回太陽に近付いたのは、約5万年前。現在の彗星の軌道から計算すると、今後は太陽系から遠ざかって再び帰ってくることはないと考えられています。ZTF彗星を目にするチャンスは、今回が最初で最後ということになるのですね。
参考・参照
(速報)ZTF彗星が地球に接近(2023年1月・2月)