彗星の主成分は氷の状態の水のため、太陽に近付くと彗星本体の表面が少しずつ溶けて蒸発します。その時にガスとチリも一緒に表面から放出され、彗星の本体が淡い光に包まれているように輝いて見えます。また、ガスとチリは、ほうきのように見える「尾」も作り出します。
彗星の尾には大きく分けると、ガスが作る「イオンの尾(または、プラズマの尾)」と、チリが作る「ダストの尾(または、チリの尾)」の2種類があります。一部の粒の大きなチリは彗星と同じように彗星の軌道を周回し続け、流星群を出現させます。
毎年5月と10月に、地球は1986年にハレー彗星が内太陽系に残したチリの帯のなかを通過します。ハレー彗星のかけらは、5月は「みずがめ座η(イータ)流星群」、10月は「オリオン座流星群」となり、私たちに美しい流れ星を見せてくれるのです。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「彗星」