そんな歴博を出て、樹木の威勢のいい城址公園に入ると、まるで歴博の作り物が化身でもしたように、くつろいでいるノラネコ(城址猫)たちの姿が見られます。かわいがられているのか、人をおそれる様子もなく泰然としている姿を見ると、昔ながらのネコのあり方がここではまだ生きていることもわかります。本丸跡から優美な空堀、「暮らしの植物園」を過ぎると城域から市街に。佐倉市市民体育館脇の小道を住宅街に入り、森のふちを彩るオドリコソウやキイチゴなどの野の花を見ながら進むと、やがて「ひよどり坂」に行き着きます。竹林がうっそうと伸びた斜面に続く長く細い坂道は、江戸時代から変わらない景観を保ち、近年は侍姿や姫衣装のコスプレの撮影スポットとして人気になっているとか。タイムトンネルのような坂を上りきると、そこが関東では最大級の武家屋敷街になります。このうちの三軒が江戸時代当時のままに保存されて公開されていますが、その並びの各家は住人もおり、建物は建て替えられていても目隠しの高い生垣や土塁などは当時のままに残されています。武家屋敷街から離れた中尾余町には、現在も住人が住まう江戸後期の武家屋敷「佐藤家住宅」(内覧不可)もあり、アトラクションではない本物の「生きた江戸時代」を体感することができます。
歴博では、GW中の5月3日(金)、研究員による第一展示室のギャラリートーク(入館料以外無料)が館内で開催されます。AM10:00より「最終氷期に生きた人々」、AM10:55より「正倉院文書複製の特別公開」、PM13:00より「多様な縄文列島」、PM13:55より「水田稲作のはじまり」。興味のあるテーマにあわせて、訪館してみてはいかがでしょうか。
なお、第二~第六展示室については、こちらもご参照ください。
https://tenki.jp/suppl/kous4/2018/10/26/28543.html国立歴史民俗博物館第一展示室 先史~古代