海沿いの地域では、この山谷風に似た現象が起こります。「海陸風」と呼ばれ、日中は海から陸に向かって「海風」が、夜間は陸から海に向かって「陸風」が吹き、1日周期で風が交代します。
山谷風も
海陸風も、空気の温度差によって風が吹いたり交代したりする点は同じです。海陸風の仕組みは山谷風よりももっとシンプルで、海と陸の暖められやすさの違いによって温度差が発生し、風が吹きます。
また、山谷風は山地周辺、海陸風は海岸周辺の地域にそれぞれ現れますが、日本の場合、山と海が近い地形であるため、これらが影響しあうことがあります。とくに、海風が発達すると内陸部の奥深くまで吹き込むため、同じ風向きの谷風と結合して大きな風の流れ(循環)となって、広域海風や大規模海風と呼ばれることがあります。広域海風は、関東平野や濃尾平野などでよく現れます。