春、真っ盛り !! ところで、「梅」、「桃」、「桜」の見分け方、わかりますか?
2015年04月13日
福島市の花見山では「梅」も「桃」も「桜」も植えられている。まさに「桃源郷」。
梅、桃、桜と順番に開花し、春真っ盛り!! 東北地方では、今がちょうど桜のシーズンです。下の写真は福島市にある花見山公園。花卉園芸農家の私有地ですが、一般にも無料開放されていて、今まさに花の見ごろを迎えています。この公園には梅、桃、桜をはじめ、レンギョウ、ボケ、モクレンなどが植えられており、その美しさは写真家の秋山庄太郎氏が「桃源郷」と呼んだほど。ところで、梅も桃も桜も春の代表的な花ですが、この3種類、パッと見て見分けがつきますか?
「梅」は花びらが丸い。花が枝から直接咲いている。
花びらが丸い「梅」。ひと花ずつ枝から咲いていて、控えめながら凛とした雰囲気。
北海道以外の地域では、おおよそ梅→桃→桜の順番に花が咲きますが、3種類ともバラ科の植物なので、どれもよく似ています。咲く時期が違うので、その時期に咲いていれば、なんとなく「梅かなあ」 「桃かなあ」とは思いますが、この3種類、よく見ると、はっきりとした違いがあるのです。
春のはじめに咲く「梅」は、花びらの形が丸いのが特徴です。また、花芽が一か所から一つずつ咲いているので、かたまりで咲く桃や桜よりも控えめな感じです。
花は直接、枝から一つずつ咲いています。
葉は、花が咲き終わってから出るので、花が咲いているときには葉はありません。桃は花と同時に葉が出るので、葉の出具合を見れば桃と区別がつきます。
葉の形は卵型。
「桃」の花びらはとがっている。葉の形は長い楕円形。
「桃」の花びらは先が少しとがっている。花と同時に葉が出る。
「桃」の花びらは、先が少しとがっているのが特徴です。梅の花が一つずつ咲くのに対し、「桃」は同じ場所から二つずつ花芽が出るので、梅と比べて華やかなイメージです。
花は梅と同じく、枝から直接咲きます。
花と葉が同時に出るので、花が咲いているときに葉が出ていれば、たいていは「桃」です。
葉の形が長い楕円形なのが特徴で、「桃」の葉の形が一番わかりやすいかもしれません。
「桜」の花びらは先が割れていてハート型。長い花柄が特徴。
「桜」の花びらは先が割れている。花柄が長いのが特徴。
「桜」の花びらは先が割れていて、花びらの形がハート型です。
一番の特徴は花柄(かへい)が長いことです。写真を見ればおわかりいただけると思いますが、枝からサクランボの茎のようなものが出ていて、その先に花が咲いています(この花柄が後にサクランボの茎になります)。
花柄があるので、枝から直接花が咲いている梅や桃と違って、枝から少し離れた位置に花のかたまりがあります。枝と花の間に空間がある分、立体的で、枝からこぼれるように咲きます。
葉の出方は種類によって違います。ソメイヨシノは花が終わってから葉が出ますが、八重桜などは花と葉が同時に出るので、いわゆる葉桜です。
葉の形は、桜餅で見慣れていると思いますが、楕円形で、フチがギザギザです。
本州以南は「梅」→「桃」→「桜」の順に開花。でも、北海道では3種類が一斉に咲く !!
本州より南では、春になると、だいたいが、「梅」→「桃」→「桜」の順に花が咲きます。しかし、北海道ではこれらは一斉に咲きます。もし理科のテストで、これらの花の咲く順番を答えなさい、という問題が出たら、たぶん北海道の子どもたちは解答に迷ってしまうでしょう…、というのは大げさでしょうか。
今まで、何気なく見ていた梅と桃と桜ですが、区別がつくようになってから改めて見てみると、その違いがよくわかります。これから梅・桃・桜の開花を迎える地方の方は、これら3種類の花を見かけたら、見比べて楽しんでみてはいかがでしょうか。