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【2013年のお天気総決算】天気予報と生活

2013年12月16日

昨今、天候の急な変化による突発的・局地的な豪雨など、天気が生活に及ぼす出来事が多く見られるようになりました。ますます天気予報が果たす役割が大きくなっており、その精度・サービスも多様化しています。
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世界に誇れる高い精度の日本の天気予報

年々精度が向上している日本の天気予報は、今ではおよそ85%の確率で当たると言われています。数値予報モデルの精度および処理能力の向上による、より細かいメッシュでの予報と、豊富な経験を活かした気象予報士による予報で、それが実現されています。
実際、気象予報士に「天気予報の精度が一番だと思う国はどこか教えてください」という質問をしてみると、半数近い41.9%が「日本」と答えるなど、その精度には気象予報士自身も自信を持っているようです。その要因としては、「気象レーダーの普及率と観測地点の網羅率、および気象衛星保持」や「(数値予報モデルやメッシュなどが)時間・空間間隔ともに細かいと思う」、「変化に富んだ地形と季節変化の大きい国で、観測点の密度も高く、精度の高い天気予報を提供している」という声が聞かれました。

様々な情報の発信 天気予報の確認ツールは、「インターネット」が主流

【レジャーの前に『天気予報』は、どのような媒体から情報を得ることが多いですか。(複数回答可)

気象庁が警報・注意報の上のレベルで気象災害への警戒を呼びかける「特別警報」の運用を新たに開始し、急な天候の変化などに対応した情報提供を開始したことは話題になりました。
また、昨今、各天気予報サービスは単に天候の予報をするだけでなく、独自に開発した算出方法を用いた生活に関する「指数」やコラムも発表しています。広がりを見せるメディアに対応するように、パソコンやスマートフォン、携帯電話向けのサービス、SNSのアカウントなど様々なメディアに向けた情報提供も行っており、利用者の意見としても、パソコン、スマートフォンでの天気予報は一般化しつつあります。こうして天気予報は、日常生活の中で非常に身近なものになっていると言えます。

天候の急な変化で、 7,478円の無駄な出費・出費経験者は全体の27.8%

【2013年に急な天候の変化により、やむを得ず出費をした覚えがありますか。】

外出先で、突発的・局地的な豪雨など急な天候の変化で出費をしたことある人もいるのではないでしょうか。2013年に、急な天候の変化で「出費した」と答えた人は27.8%と、およそ4人に1人が損をしている結果となりました。

【2013年に急な天候の変化により、やむを得ず出費をしたものを教えてください。(複数回答可) 】

具体的にどのようなものに出費しているかというと、1位は「傘の購入」(71.9%)、2位は「タクシーの利用」(22.3%)が上位にあがりました。
また、その金額を見ると、平均で7,478円/1人、一番多く使っている人で、145,000円という結果がでました。
急な天候の変化で平均約7,500円もの出費がでており、きちんと天気予報をみておくことでも、その出費が抑えられるのではないでしょうか。

【2013年に急な天候の変化により、やむを得ず出費したおおよその額を教えてください。】


様々な生活のシーンで天気予報を知ることで、レジャーを楽しむことができたり、出費が減らせたり、さまざまなメリットがあることがわかりました。
では、実際に「天気のプロ」である気象予報士は、その生活でどのように天気予報を役立てているのか、また気象予報士ならではの天気予報の見方のコツを教えてもらいました。

気象予報士に聞く 天気予報の見方

【レジャーの前、どのようなタイミングで天候の確認をしますか? (複数回答可) 】

天気・天候をよく理解している気象予報士は、一般の方より、日々の生活でメリットがあると感じているようです。89.5%もの気象予報士が得することやメリットが「ある」と答えています。
天気や気温の変化を早めに察知して対応できる」ことから、様々なシーンで、「物事の計画が立てやすい」ことでメリットがあるようです。
実際にレジャーのシーンでの天気の確認タイミングについて聞いてみると、1週間前にチェックする割合は、一般の方が58.9%であるのに対して、気象予報士は85.6%と、多くの気象予報士の方が、早い段階から定期的に天候を確認し、実際の計画に活かしている様子が見受けられます
また、早い段階で天気予報を確認する気象予報士の方は「週間予報は傾向として使う」「対象日だけではなく前後の日も参照するなどフェーズずれを意識する」などしているようです。こうした天気予報の見方を学ぶことで、楽しいレジャーを計画できると良いですね!
◆気象予報士が教えるおすすめの天気予報の見方

こまめに天気予報をチェック
天気予報は一日の間にも変わることがあるため、また、直前の方が予想精度が高いので、こまめにチェックすることが重要です。また、最近はスマートフォンなどで、最新の情報の確認が気軽に出来るようになっているので、リアルタイムで更新される情報を入手するのもお勧めです。また「5時、11時、17時に発表される最新のものを見るとよい」というアドバイスもありました。

周辺の地域や事前の予報も確認
対象となる地点だけでなく、近隣の地域や周辺各県の天気予報をチェックするのも重要とのこと。ポイント予報より、レーダーや雨雲の動きもチェックする方が天気の移り変わりがわかるという声もありました。

一歩踏み込んだ天気予報の情報収集
天気予報は、単に天気マークで確認するだけでなく、気象予報士の解説を聞いたり、予報文を読んだりすることも重要です。また「天気予報だけでなく、信頼度も確認するとよいと思います。」とのコメントや「大気が不安定」というワードには注意した方が良いとのコメントもありました。

2014年も天気予報を活用して、レジャーや日常生活を楽しんでください!

▶「2013年お天気総決算」をもっと詳しくみる(PDF)
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tenki.jpチーム

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