次々と発生した積乱雲が数時間にわたってほぼ同じ場所を通過・停滞し、非常に激しい雨が長い時間降り続く「線状降水帯」。
その「線状降水帯」による災害発生のおそれをいち早く伝えるための情報として、気象庁は、レーダーなどによって「線状降水帯」と考えられる雨域が確認された際に、土砂災害や洪水の危険性が急激に高まったことを知らせる「顕著な大雨に関する情報」の運用を、2021年6月17日から開始しました。
この情報に「線状降水帯」の自動検出技術は、日本気象協会、国立研究開発法人防災科学技術研究所、気象庁気象研究所が開発したものです。
今後、「線状降水帯」の予測にも貢献できるよう、更なる検出技術の向上に向けて研究を進めています。
【関連記事】「顕著な大雨に関する情報」の提供が始まる 「線状降水帯」発生時は災害発生のおそれ(2021年06月17日)<「線状降水帯情報(顕著な大雨に関する情報)」開発メンバーのコメント>「線状降水帯の発生時刻や位置、降水量を正確に予測することは、最新の気象予測技術をもってしても困難です。
内閣府戦略的イノベーション創造プログラム第2期の研究プロジェクトを通して、気象庁に実装された『顕著な大雨に関する情報』は、予測の難しい線状降水帯を、まずはきちんと定義し、その発生を検出することが重要であるとの思いから開発に取り組んだものです。そして現在は、避難判断に重要な半日先の予測について精度向上に取り組んでいます。
『顕著な大雨に関する情報』が発表された際には、すでに災害が身近に迫っている状況である可能性が高いため、自分が住んでいる場所の特性や最新の降雨状況に応じて、避難するか、自宅の2階以上へ留まるかなど、避難行動を判断してください。」
(日本気象協会 技術戦略室長 増田有俊)
<選考した気象予報士のコメント>・「線状降水帯情報の開始で、線状降水帯という言葉がより一層普及してきたように感じました。」
・「命を守るために有益な情報の発信が新たに開始されたことは、広く社会の注目を集めたと思います。」
・「日本気象協会の技術も役立っている情報です。」