ブルーモーメントとは? いつ見られる? メカニズムや出現の条件を気象予報士が解説
2024年02月15日
ブルーモーメントは、空が深い青色になる現象または時間帯のことを言います。ブルーモーメントが見られる時間や、メカニズムや条件について解説します。
ブルーモーメントとは あたり一面幻想的な深い青色の空に
ブルーモーメントとは、空が深い青色となる現象、もしくはそう見える時間帯のことを指します。 漫画やドラマのタイトルにもなったブルーモーメントは、ブルーアワーと呼ばれることもあり、条件が揃うとあたり一面幻想的な濃い青色の空を見ることができます。
ブルーモーメントは、太陽が地平線の下にある時間帯に見られ、周囲がうっすらと明るくなっている状態です。
ブルーモーメントの観測チャンス「薄明」の時間帯
ブルーモーメントは日の出前、もしくは日の入り後の5~10分間に見ることができます。 この時間は「薄明」と呼ばれ、夜と昼の間の薄明るい時間です。
朝は東側、夕方は西側に空が開けているところであれば、どこでも見ることが可能です。 深い青色の空を楽しみたいのであればビルの隙間からも見ることができます。
深い青色に見える理由は光の散乱が関係している
ブルーモーメントの空が深い青色に見える理由は、光の散乱が関係しています。
昼間の空は青や水色に見えますが、太陽の光の中でも散乱しやすい「青い光」が目立っているためです。
太陽の光の中には青以外にも緑や黄色、オレンジ、赤などの色の光があり、これらも一緒に散乱されることにより光が混ざり、空は白っぽく明るい水色に見えます。
一方、太陽が昇る前や沈んだ後は、地平線の下に隠れている太陽の光が空の高い所に当たり、より散乱しやすい青い光だけが空に残ることにより深い青色に見えます。これがブルーモーメントです。
タイミングが合うと、空だけでなく山や建物など辺り一面も濃い青色になります。
ブルーモーメントは晴れていれば季節を問わず観測可能
ブルーモーメントの観測条件として、天気が晴れていることが挙げられます。薄曇りや雲が多少出ていても見ることはできますが、雲が厚かったり雨や雪が降ったりしている時は、太陽の光が届かないためブルーモーメントを見ることはできません。
季節としては、晴れていれば季節を問わずブルーモーメントを見ることがれきますが、おすすめは秋から冬にかけての季節です。
春や夏の時期は、空気中にチリや水蒸気が多く、それらが光を散乱させるため、青色がぼやけて白っぽく見えます。 秋から冬にかけては、比較的空気が澄んでいるため、より綺麗な深い青色のブルーモーメントが楽しめます。