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冬は寝ている間に乾燥しています! 睡眠中にマスクで風邪予防

2015年01月20日

朝の寒さが身にしみますね。目覚めたとき、のどがカラカラで痛くなっていませんか。「風邪ひいたかな?」と思うけれど起きてしばらくすると治っている・・・それは、寝ている間の乾燥が原因です。
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寝ている間にウイルスの攻撃にさらされている?!

寝ている間は、飲み込む運動が行われず唾液や鼻の粘膜の分泌物もあまり出ません。乾燥して鼻やのどの自浄力・免疫力が低下すると、ウイルスが繁殖しやすくなります。また夜は、副交感神経が優勢になり、昼間よりリンパ球の防衛反応が強くなります。そのため、ウイルスの攻撃にさらされると発熱物質や炎症促進物が多量に放出されて、のどの痛み・ 頭痛・鼻水・鼻づまり等の症状となって現れるのだそうです。「風邪ひいたかな?」と朝気づくことが多いのは、寝ている間にウイルス攻撃されていたからなんですね。

のどの痛みを防ぐには、とにかく乾燥させないことが大切です。
寝る直前にお茶を一口、枕元に水筒やペットボトルを置いて夜中に乾燥を感じたら一口と、こまめにのどを潤すようにすると、朝がとても楽になります。起きたとき痛みを感じたら、すぐうがいして水分補給を。のど飴をなめるのも潤い効果があります。

ご存知のように、風邪薬はウイルスそのものには効果がなく、症状を抑え体の免疫力を助けて治すもの・・・つまり「風邪は自分の免疫力で自然に治す」が基本です。寝ている間の乾燥対策で、薬が必要になる前に風邪症状を治してしまいたいですね。

お部屋の湿度を上げてから寝たいですが・・・

風邪ウイルスは、湿度が高い所ではすぐ地面に落ちてしまうそうです。ウイルス対策には湿度を50%〜60%に保つとよいとのこと。ぜひおやすみ前に、お部屋の湿度を上げてみてはいかがでしょう。

加湿器やグッズを使うときは、水や内部が汚れていないかチェックを。お風呂に水をはって浴室のドアを開けておく・室内に濡らしたタオルや洗濯物を干す・水を満たした洗面器等を置く・熱帯魚等の水槽を置く・観葉植物やカーテンを霧吹きで湿らせる・・・等々の方法で寝室の湿度を上げることができます。

ただ心配なのは、お部屋全体を湿らせるとカビが発生してしまう可能性があること。鼻やのどを潤わせるためなら、顔に近い場所だけ湿度を上げれば合理的ですよね。そこでいちばん簡単なのが、「寝るときマスクをする」という方法なのです。

「きれいで温かく潤った空気」を吸うために

できれば、水で湿らせた『濡れマスク』がお勧めです。ガーゼの水分を水蒸気として吸うことができ、加湿器並みの効果が期待できるからです。

鼻は吸った空気を濾過し、温め湿らせてから体内に送ってくれています。ところが、寝ているとき口呼吸になっている人が多く、せっかくの鼻を通さず口でそのまま空気を吸ってしまうことで、のどや肺を痛めているというのです。
マスクをすると、呼気で潤った暖かい空気が気道全体に行き渡り、呼吸が楽になるのでぐっすり眠れて目覚めが良くなります。「冬は寝ている間に老化する」という夜の乾燥も、マスクの保湿で目覚めた時お肌はしっとり。ほうれい線も目立たなくなり、ちょっと得した気分に。さらに鼻呼吸は口元の締まりをよくし、口臭や虫歯菌の繁殖を防ぐ効果もあるそうです。

『濡れマスク』は市販品が各種ありますが、安価なガーゼマスクで簡単に自作できます。歯科医の臼田篤伸さん考案の作り方をご紹介します。

1マスクを水(冬はお湯)で濡らして軽く絞る。
2マスクの上部1/3を外側へ折り返す(安定して装着できる)。
3鼻は出して口だけ覆う。

マスクの素材は綿100%がもっともお勧めですが、

・使い捨てマスクの内側に濡らしたガーゼを当てる
・2枚の使い捨てマスクの間に濡らしたガーゼをはさむ

といった方法もあります。ヒモや口の当たる箇所は濡らさない方が快適かもしれません。マスクの付け心地には好みがあるので、気に入った素材や形でお試しください。鼻を覆わないので寝ている間も息苦しくありませんが、気になる人は下唇だけにかけてもOKだそうです。

『濡れマスク』なら、旅行先でも手軽に乾燥対策できますね。
これからの季節は風邪だけでなく、花粉症の軽減にも効果があるそうですよ。

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小動物系ライター

うさぎだ りすえ

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