わずか半日で350ミリ以上の記録的大雨も 峠越えても警戒緩めず 避難時の注意点は
2023年07月10日12:50
記録的な大雨 油断せず身の安全確保を
大雨の峠を越えても油断できません。九州北部では夕方にかけて局地的に発達した雨雲がかかりやすい状態が続くでしょう。土砂災害や川の氾濫は、雨が弱まった後に発生することもあります。ダムの緊急放流などにより、それほど雨量が多くないエリアでも浸水などの被害が発生することが考えられます。警戒を緩めず、このあとも身の安全を確保してください。
いつ避難する? タイミングは?
警戒レベル3の場合、高齢者や障害のある方などは、安全な所へ避難しましょう。警戒レベル4では、対象地域の方は、全員速やかに避難してください。警戒レベル5では、すでに安全な避難ができず、命が危険な状況です。このため、警戒レベル5緊急安全確保の発令を待ってはいけません。警戒レベル4までに、必ず避難してください。
天気が荒れてしまうと、道路状況が悪くなるなど、避難の際の危険度が高まります。避難指示が出されていなくても、少しでも危険を感じたら、自ら避難しましょう。不安を感じたら、その時が避難のタイミングです。「自主的に、早めに、安全な所へ避難する」という防災意識をもって、避難する際は、近所の方々にも声をかけ、複数で行動してください。
大雨の中 車を運転して避難する場合 注意点は
1つめは、雨の降り方が強い時には、いつも以上に慎重な運転をすることです。1時間に20ミリ以上の雨が降ると、ワイパーを速くしても見づらくなります。さらに、1時間に30ミリ以上の雨が降る場合は、高速で走っている時にブレーキが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」が起こる恐れがありますので、注意が必要です。
2つめは、避難場所へ向かう道を選ぶことです。降り続いた雨によって川が増水していたり、車道が冠水していたりすることもあります。川からなるべく離れた道を選んでください。
タイヤ高さの半分を超える深さの冠水の中を走行すると、エンジンや電気系統に異常を生じ、走行不能となるおそれが高くなると言われます。さらに、水深がもっと深くなったり、流れが速くなったりすると、車ごと流される場合もあります。大雨で冠水した道路は、川との境目が分かりにくいので、無理をしないで、車で避難するのをやめるのも、選択肢の一つです。
歩いて避難する場合 注意点は
1つめは、足元に注意することです。冠水すると、水が濁っているため、マンホールの蓋が外れていても、見えにくくなります。また、側溝や川と、道路(歩道)の境目も、わかりにくくなります。転落したり、流されたりする恐れがありますので、無理をして水の中に入らないでください。やむを得ず水の中を歩く場合は、棒などで、足元を確認しながら進んでください。
2つめは、飛んでくるものに注意することです。突風などによって木の枝や看板などが吹き飛ばされてきたり、壊れた傘などが風に舞ってぶつかってきたりすることがあります。ヘルメットなど、頭を守るものがあると、安心です。
避難が困難な場合は 垂直避難を
これまで、土砂災害の多くは、木造家屋の1階で被害にあっています。すでに雨が強まっているなど、どうしても避難場所への移動が困難な場合は、近くの頑丈な建物の2階以上へ移るのも、選択肢の一つです。家の中に留まる場合も、斜面から離れた部屋や、2階以上の部屋へ移ってください。
万が一、土石流が発生した場合は、土砂の流れる方向に対して直角に、できるだけ高い所へ避難することが、命を守ることにつながります。