5月は梅雨の沖縄で平年の3倍の雨 本州も梅雨入りへ
5月のまとめ。11日に梅雨入りの発表があった沖縄では、南大東島で5月の降水量が平年のおよそ3倍となり、5月として統計開始以来1位になりました。6月は、本州も長雨の季節です。
沖縄・奄美・九州南部 梅雨入り 南大東島で5月の降水量過去1位
10日は、日本海を低気圧が東へ進み、低気圧から延びる前線が九州を南下しました。10日は奄美地方、翌11日は沖縄地方が梅雨入りしたとみられる、と発表がありました。
沖縄では、梅雨前線の活動が活発になるなどの影響で、平年より雨量が多くなりました。5月1日から29日までの降水量は、南大東島で552.0ミリと5月の平年のおよそ3倍で、統計開始の1942年以来、5月として1位。那覇市では532.0ミリで、統計開始の1891年以来、5月として4位になりました。
30日、九州南部が梅雨入りしたとみられる、と発表がありました。
※梅雨は季節現象であり、梅雨の入り明けには、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。梅雨入りの発表は速報値で、春から夏にかけての天候経過を考慮して再検討され、見直されることがあります。
台風1号 5月以降に1号の発生は4年ぶり
12日21時、フィリピンの東で台風1号が発生。5月以降に台風1号が発生するのは、2016年以来、4年ぶりです。14日15時には、非常に強い勢力になり、フィリピンを通過しました。その後、勢力は衰えながら北上し、17日3時にバシー海峡で熱帯低気圧に変わりました。
18日は、沖縄付近に熱帯低気圧周辺の暖かく湿った空気が流れ込みました。沖縄県南城市で1時間に55.5ミリの雨を観測し、5月として統計開始の1976年以来、5位になりました。
関東・東北 まるで梅雨 東京5日連続で日照0.0時間 42年ぶり
18日頃からオホーツク海に中心を持つ高気圧が南への張り出しを強め、関東や東北に冷たく湿った空気が流れ込みました。関東や東北の太平洋側では曇りや雨の日が続き、梅雨のような空模様になりました。
東京都心では、日照時間が18日から22日まで5日間連続して0.0時間になりました。5月に5日連続で日照時間が0.0時間になるのは、1978年以来42年ぶりです。
気温の低い状態も続きました。19日から22日までの最高気温は4日連続で、東京都心は20度未満、仙台市は15度未満になりました。5月以降夏にかけて、4日連続で東京都心で20度未満、仙台市で15度未満は、いずれも2008年以来12年ぶりです。仙台市の20日の最高気温は9.5度で、5月中旬以降夏にかけて10度未満になったのは、2005年以来15年ぶりです。
6月 本州も梅雨入りへ
気象庁が28日に発表した1か月予報によると、この先、夏の高気圧ともいわれる太平洋高気圧の西への張り出しが強い見込みです。6月5日にかけて、前線は本州の南岸付近まで北上するでしょう。九州北部や四国も例年と同様に梅雨入りしそうです。12日にかけて、前線は本州の南岸付近で、関東甲信などでも長雨の季節に入る可能性があります。
例年と違う点は、3つ。①高気圧をふちを回る暖かく湿った空気が、九州から近畿付近に流れ込みやすいでしょう。暖かく湿った空気は、雨雲のもとで、梅雨前線の活動を活発にするなど大雨をもたらすことがあります。九州から近畿の降水量は平年並みか多い見込みです。2016年6月19日から30日にかけて、本州付近に梅雨前線が停滞し、九州を中心に大雨になりました。この期間に観測された総降水量は九州地方の広い範囲で500ミリを超え、土砂災害、浸水害などが発生しました。今年の梅雨は、例年以上に大雨に警戒が必要になることが考えられます。②沖縄は、5月は記録的な雨量になりましたが、この先は高気圧に覆われる日が多く、降水量は平年並みか少ない見込みです。③日本付近は暖かい空気に覆われやすいでしょう。全国的に高温傾向です。例年以上に蒸し暑い梅雨になりそうです。今年は、屋外での活動を控えたことで、例年より身体が暑さに対応しにくくなっているといわれています。熱中症に対して十分な対策が必要になります。