「11月の星空・天文情報」十三夜やスーパームーン、おうし座流星群に注目
「夏の大三角」のあと「冬の大三角」
夜の早い時間帯は、西の空に「夏の大三角」が見られます。「夏の大三角」が深夜に差しかかって沈んでいくころには、東の空から「冬の大三角」が姿を現し、星空からも季節の移り変わりを感じることができます。
「冬の大三角」は、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスを結んでできる三角形で、全て1等星以上の星のため、とても華やかです。
2日 「十三夜」の月と土星が共演
また、2日は旧暦9月13日の「十三夜(後の月)」です。
十五夜の中秋の名月(今年は10月6日)は中国伝来で「芋名月」とも呼ばれるのに対して、十三夜は日本独自の風習で「豆名月」「栗名月」とも呼びます。
十五夜のころは、台風や秋雨前線の影響を受けやすく、「中秋の名月、十年に九年は見えず」という言葉があります。一方、十三夜のころは、高気圧に覆われることが多く、「十三夜にくもりなし」といわれます。
今年2度目のお月見を、土星と合わせてぜひご覧になってください。
5日の満月「ビーバームーン」は今年一番大きい
満月には英語圏で様々な呼び名があります。4月は「ピンクムーン」、6月は「ストロベリームーン」などと月ごとに呼び方が変わります。
11月の満月は「ビーバームーン」と呼ばれます。名前の由来は諸説ありますが、ビーバーが巣作りをする頃や、毛皮にするビーバーを捕獲するための罠を仕掛ける頃であることから付けられたようです。このような呼び名を思い出しながら、月を眺めてみるのも良さそうです。
5日の東京の月の出は16時12分です。今年見える満月のうちで最も大きな「スーパームーン」となります。
【参考サイト】
The Old Farmer's Almanac
AstroArts
スーパームーンはどれくらい大きい?
月と地球との距離は平均して38万4400kmほどですが、最も近づく時の距離はおよそ36万kmです。一方、地球と月が最も離れて小さく見える月を「マイクロムーン」や「ミニマムーン(ミニマムムーン)」と呼びます。
2025年で地球から最も遠い満月は、4月13日でした。今回の満月は、4月13日の満月に比べて視直径(※)が約14パーセント大きく見えますが、その日の月を見ただけで視直径の変化に気づくのは難しいでしょう。
(※)視直径:天体の見かけの大きさ
9日~10日 月が木星に接近
また、11月の木星は、ふたご座に位置していて、ふたご座の1等星のポルックス、2等星のカストルと並ぶ様子も観察できます。
5日ごろは「おうし座南流星群」極大 12日ごろは「おうし座北流星群」極大
一方、おうし座北流星群の出現は、10月下旬から12月上旬まで続きます。極大の時期は、11月12日ごろ。おうし座北流星群も、数は多くありませんが、時折火球クラスの明るい流星が出現します。
流星は、放射点を中心に放射状に出現しますが、放射点付近だけでなくどちらの方向にも現れますので、観察するときはなるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。また、寒い季節ですので、寒さ対策をしっかりおこなってください。
