気象の分野の北陸は 新潟県を含む4県が対象 北日本ではなく「東日本」に分類される
「東日本」の北陸に多い「北日本」の名を冠する企業
北陸の「北日本」表現 畿内からみて北の地域にある雪深い所の意も
越中国守とした赴任した大伴家持が、天平勝宝3年(751年)に34歳で帰京する年の正月に高岡市伏木の宴席で詠んだ雪の歌を納めた万葉集の巻十九4229の注記には、「積雪4尺」≒120センチの記載があります。近年では2021年1月に富山で35年ぶりに積雪100センチを超え、最深積雪128センチの記録がありましたが、古の時代にもJPCZの降雪の集中による平地でのドカ雪があったようです。
また、時代は下り長徳2年(996年)、紫式部が父に同行して越前武生に赴いた際には、わずか1年余りの滞在にもかかわらず、本格的に降り積もった雪を楽しむ余裕は無く、「早く都に帰りたい」という意の歌を残しています。
こうしたことからも、北陸方面は、畿内よりも北の地域にある雪深い所とされ、古の都を基準にして「北日本」「北國」などと呼ばれる一因になったと考えられます。
新潟県は何地方? 正解は一つではない
新潟市は、会津若松市や福島市より北に位置、村上市は米沢市よりも北に位置して、山形市や仙台市とほぼ同緯度にあり、下越地方はほとんど東北と言っても過言ではなさそうです。その一方、糸魚川市・上越市などは富山県にかなり近く、同じ新潟県内でも、地域により、県民意識や言葉のイントネーションも異なるでしょう。
県による公式見解はなさそうですが、電力は東北、ガスは新潟市や長岡市などで北陸、公共放送は関東甲信越、高校野球の地方大会は北信越、国土交通省は北陸地方整備局と北陸信越運輸局とで微妙に管轄が異なります。一見複雑な分け方になっていますが、各方面でうまく運用され機能しています。中には新潟県は新潟地方とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
ここで問題の第一義は、気象庁が発信する防災情報を含めた情報が、対象者にキチンと伝わることです。気象庁から北陸地方として発信された情報は、近畿地方に隣接している福井県や東北地方に隣接している新潟県も対象となりますので、記憶しておくと良いでしょう。
