こんにちは。最近は私が燻製をやっていることを知らない人も多い気がするくにぱぐ(パギー)です。今回は、あえてスタンダードな燻製メニュー「スモークナッツ」をキッチン燻製で作ってみます。無塩ナッツを塩で味付けするテクニックも合わせることで、ほどよくしょっぱく香ばしい、最高のお酒のツマミになります。
燻製としては一見簡単そうで実は失敗が多い「スモークナッツ」
今回は久しぶりの燻製メニュー「スモークナッツ」です。
最近はキャンプで燻製を作る人も大分増えてきましたね。ナッツは、チーズや卵と並び、「すぐに作れる簡単燻製メニュー」というイメージをお持ちの方も多いと思います。
実際、他の食材とは異なり、最初からカラカラに乾燥しているナッツは、燻製するにはとても簡単に見えます。
ただ、そうやってできあがったスモークナッツを一口かじると、歯ごたえが悪い、何か湿気ている…と感じたり、焦げ味が強くて食べられない…なんてことも大いにありがちです。
実はスモークナッツは、乾燥している食材ならではの特有の難しさがあるのです。
今回は、キッチンで作るスモークナッツづくりのコツをご紹介します。
具体的には、下記の3つのポイントからお伝えします。
- 湿気させず、カリっとした食感に仕上げるコツ
- 無塩ナッツに塩で味付けをするためのコツ
- ミスして焦がしてしまった場合のリカバリーのコツ
この3つを把握しておけば、驚くほど美味しいスモークナッツが大量に作れますよ!まずは実際の作り方を見ていきましょう。
スモークナッツの食材と必要な道具
スモークナッツの食材(500g)
- ミックスナッツ …500g
- 塩 …大さじ1 ※
- 水 …200ml ※
※無塩ナッツの場合必要
ナッツは、アーモンド、クルミ、カシューナッツなどがミックスされた大袋のものが便利です。
スモークナッツは保存が効くので、少量ずつ作るよりはまとめて作っておくと長期間に渡って食べられます。
最近は健康を意識してか、スーパーで購入できるナッツはほぼ無塩ナッツですね。正直無塩のままだと、ツマミにするには味にインパクトがないので、塩味をつけるようにしてみます(本末転倒な気がしますが…)。
味付けのために必要なのは、水と塩です。塩はお好みのものを使いましょう。天然海塩やヒマラヤ岩塩など、ちょっといい塩がオススメです。
スモークナッツの調理に必要な道具
- ダッチオーブン(もしくは鍋やメスティンでも)
- カセットコンロ
- 金網(ダッチオーブンより少し小さいサイズが理想)
- アルミホイル
- クッキングシート
- スモークチップ
- (あれば)ピートパウダー
~以下、塩味を付ける場合~ - フライパン
- ヘラ
今回はダッチオーブン燻製を行います。キッチンでも簡単にできる上、大量に作るのに向いているからです。
もちろん、古い鍋や、メスティンでもできますよ。
この辺は作る量と相談して決めましょう。
キッチン燻製は、いわゆる「ナベのから炊き」になるため、安全装置付きの家庭のガス台だとすぐに自動で火が止まってしまいます。そういう場合はカセットコンロが便利です。
スモークチップはお好みのものを使いましょう。
ピートパウダーがあるとより色づきがよくなりますよ。
それ以外のものは作り方のところで詳しく説明していきますね。
スモークナッツの作り方
スモークナッツを作る際のステップを2つに分けて、ナッツの燻製、塩味の付け方についてお伝えしていきます。
STEP1 カリっと香ばしいナッツの燻製
(1)最初は燻製の方法を解説します。
キッチン燻製は、まずダッチオーブン(あるいは鍋など)の底にアルミホイルを敷き詰め、その上に大さじ1ぐらいのスモークチップ、その半分ぐらいのピートパウダーを撒きます。
(2)アルミホイルの端っこはあえてクシャクシャにしておき、そこに網を乗せます。
網に安定感がない場合は、アルミホイルを丸めてボールを作り、それを柱にして支えてもいいでしょう。
(3)ナッツは網の目より小さいものもあると思うので、落ちないよう、クッキングペーパーの上に乗せます。
アルミ皿などでもよいのですが、クッキングペーパーはゆるく燻煙を通してくれるので、下の方のナッツも燻されるという利点があります。
この状態で、フタはせず、強火にかけ、チップからはっきりわかるぐらい煙が出てくるのを待ちます。
あとでナッツを取り出しやすいように、クッキングペーパーの端は軽く折っておき、箱状に包んでおきます。
(4)煙が出たらフタをして、そのまま強火で5分熱燻にします。5分経ったら火を消し、そのままさらに5分放置します。燻製としてはこれだけです。
(5)出来上がったスモークナッツがこちらです。色づきは濃すぎるよりはこのぐらいのほうがよいです。
そして、燻製直後はどうしても湿気てしまいます。これはどうしようもないです。そこでこの状態のままボウルなどに移し、冷蔵庫で風乾させましょう。
1~2時間乾燥させるとパリッとした歯ごたえになります。そうしたら完成。ジップロックなどで保管しましょう。キャンプ場で作る場合はクーラーボックスなどで乾燥させることになります。
STEP2 塩味を無塩ナッツにつけていく
(1)ナッツに塩を振りかけてもうまくまぶされません。そこで塩を細かい粒子にしていきます。まずはフライパンに水と塩を入れ、強火で煮立たせます。
(2)完全に水分が蒸発すると、フライパンに白い塩の結晶がこびりついた感じになります。これをヘラでこそぎ落とせばOKです。
(3)
出来上がったスモークナッツに塩の結晶を振りかけ、よく混ぜたり袋の中でシャカシャカと振ることで味がつきます。
塩加減は微妙なところがあります。最初は少な目から味見をし、少しずつ足していくと間違いがないです。
万が一スモークナッツを焦がしてしまったら「はちみつ漬け」がオススメ
スモークナッツはもうひとつ、「焦げやすい」という問題もあります。5分という短時間の燻製でも焦げてしまうことがまあまああります。
画像は今回2回続けて燻製をしたところ、2回目のほうがやはり温度が高く、端っこが一部焦げてしまった…という感じです。
焦げたスモークナッツは苦味が強く、そのままだと食べられたものではありません。
しかし、どんなに焦げたナッツもたっぷりのハチミツに漬け込むと、苦味が抑えられ、まろやかな味わいになります。ですので、焦がしてしまった時も捨てないことをおすすめします。
スモークナッツは簡単ですが、なかなか奥が深い燻製だと思います。
この記事が作り方としては「決定版」にはなると思うので、是非参考になさってください。