新たに発生予想の台風 日本海を発達しながら進んだ場合、広い範囲で暴風被害のおそれ
トラック諸島近海にある熱帯低気圧が間もなく台風に発達する見込みです。今後は、北上して18日(金)頃、小笠原近海に達したあと、日本の南の海上を西寄りに進む見通しです。その後の進路は、モデルによる予想のばらつきが大きく、はっきりと定まっていませんが、日本海を発達しながら進んだ場合、広い範囲に暴風被害をもたらす可能性があります。台風による大雨・暴風への備えを進めておきましょう。
新たに発生する予想の台風 シルバーウィークの日本に影響
日本のはるか南の海上、トラック諸島近海には熱帯低気圧があり、間もなく台風に発達する見込みです。台風となったあとは、南鳥島近海を北よりに進み、18日(金)頃、小笠原近海に達するでしょう。その後は、予報円が大きく、予想に幅があるものの、日本の南の海上を西寄りに進む見通しです。
この台風の影響で、小笠原諸島では、18日(金)から20日(日)頃、大しけとなる見込みで、台風の発達の程度によっては大荒れとなるおそれがあります。また、台風の進路や発達の程度によっては、20日(日)頃、沖縄・奄美で大しけとなるおそれもあります。本州付近には秋雨前線が停滞する予想で、台風から流れ込む湿った空気の影響で前線活動が活発化する可能性もあります。いずれにしてもシルバーウィークの日本に影響する可能性が高まっており、今後の動向に注意が必要です。
日本海を進んだ場合、暴風被害が広がるおそれ
21日(月・敬老の日)以降の予想進路は、モデルによってばらつきが大きく、日本の南岸を東進する予想もあれば、東シナ海を北上したあと日本海へ進む予想もあります。上の図は、様々な予想がある中のひとつで、発達しながら日本海沿岸を北東へ進む予想となっています。このような進路となった場合、広い範囲で暴風・強風が吹き荒れ、風による被害が拡大するおそれがあります。
過去に日本海を発達しながら進んだ台風
過去に日本海を発達しながら進んだ台風には、1954年の台風15号「洞爺丸台風」や1991年の台風19号(いわゆる「りんご台風」)などがあります。
1954年の台風15号「洞爺丸台風」は、9月26日に九州や中国地方を通過したあと、日本海を発達しながら猛スピードで北上。北海道付近で最盛期を迎えました。九州や中国地方では降水量が200ミリを超えた所があったものの、その他の地域では雨が少なく、大雨被害が少なかった半面、西日本や東北、北海道の各地に風速30m/s以上の暴風をもたらした、いわゆる「風台風」です。暴風被害は九州から北海道まで全国に及び、北海道では大きな火災も発生しました。青函連絡船が暴風と高波で遭難するといった大惨事も引き起こしました。
1991年の台風19号は、9月27日に非常に強い勢力で長崎県に上陸したあと、加速しながら日本海を北東に進み、強い勢力で北海道渡島半島に再上陸しました。台風が、勢力をほぼ維持したまま速い速度で北上したため、沖縄から北海道まで猛烈な風となりました。これにより全国で家屋の倒壊などの被害が発生し、西日本では塩害や高潮も発生しました。青森県では収穫前のりんごが落果し、甚大な農業被害となりました。こちらも、大雨よりも暴風による被害が著しい「風台風」です。
今回、新たに発生する台風が同じような発達の経緯をたどるかは、今の時点では定かではありませんが、日本海を発達しながら北上した場合、広い範囲に暴風被害をもたらすおそれがあります。暴風が吹き荒れた場合、大雨だけのときよりも停電が発生しやすくなります。台風への備えとして、大雨だけでなく、暴風や停電にも対応できる準備をしておくとよいでしょう。