寒さの中でもピンと張りのある葉は、食欲をそそると同時に気持ちを元気にしてくれます。火を通すといっそう鮮やかになる緑を生かした料理ができればいいですね。
《鍋蓋に丈のはみだすほうれん草》 高沢昌江
葉と茎では茹であがり時間も変わってきます。ほんの少し気を配り手をかけることで、野菜の歯ごたえを生かした仕上がりにすることができそうです。
《削り節をなか高に盛りはうれん草》 有賀昌子
おひたしや炒めものといった単品でも十分に美味しいのですが、緑色を生かすのはやはり取り合わせる食材の色。卵の黄色、茸類や豆腐の白、トマトの赤などは青菜と合わせることで見た目にも彩りのよい一皿ができあがります。
《匂ひ立つ若菜のパスタ赤ワイン》 白勢一間
若菜とともに匂い立つのは春の息吹かもしれません。深みのあるワインの赤も青菜と相性がよさそうです。
《はうれん草の紅ほの甘き夕餉かな》 小田明美
「ほうれん草」の根っこ、色ばかりかほんのりとした甘さまでも生かした夕食に喜びと満足が伝わってきます。今が旬と出まわる「小松菜」と「ほうれん草」、春へと私たちを元気よく連れていってくれそうです。
参考:
◆農林水産省 広報誌「aff 2023年1月号」◆農林水産省 広報誌「aff 2019年12月号」