「曼珠沙華」この漢字の雰囲気、またお彼岸の頃に咲くことから仏教に関係するお花なのでは? と想像がはたらきます。もともとはインドのサンスクリット語「マンジュシャカ」の音を当てたもので仏教経典『法華経』の始まりにあるそうです。
「蔓陀羅華・摩訶曼陀羅華・蔓殊沙華・摩訶蔓殊沙華」
「摩訶」とは「大きい」「多くの」または「素晴らしい」という意味だそうです。お釈迦様が悟りを開こうと修行する多くの者たちに教えを説かれたとき、天は「蔓陀羅華」や「曼珠沙華」など素晴らしい四種の花を降らせた、ということのようです。天界の花を見る者はおのずから悪業を離れる、とされていたそうでまさに浄めの花といえましょう。
≪曼珠沙華白は文殊の知恵の彩≫ 長野澄恵
植物としての「曼珠沙華」は中国が原産だそうです。仏教がインドから中国に伝わっていった過程で仏典の「曼珠沙華」と植物の「曼珠沙華」が一つになっていったのでは、との思いが頭をよぎります。
お釈迦様の時代に天が降らせた「曼珠沙華」はどんな花だったのでしょうか。燃えるような真っ赤? それとも純白? 仏教の法要のときに撒かれる散華などを思い浮かべると、悟りを得るための仏道修行にも何か明るい華やぎが感じられ、幸せへの道筋を示すものに見えてくるのは不思議です。
参考:
科学技術研究所 かぎけん花図鑑