また、輸入されたシラスウナギは違法操業者による密漁したものを密売して買い取られたものが相当数混入しており、養殖ウナギを食べることはそうした違法業者によって捕られたウナギを知らずに食べていることにもなります。水産庁のデータによると、2015年シーズンのシラスウナギの公式の国内採捕量は5.7トン。しかし養殖の実態から割り出すと国内採捕量は15トン以上ある計算となり、密漁の横行や、過小申請などの実態が浮き彫りになっています。また、輸入されるシラスウナギにも相当数の密漁個体が混入していることがわかっています。
こうした事態は、ウナギの資源管理という意味から大きなマイナスであり、ウナギという食文化を継続させていく意味からも正していかなければならない問題です。
2019年にスリランカでワシントン条約締約国会議が開催されますが、その際ニホンウナギの国際取引が禁止となる決議がされるという予測も出ています。現在のような養殖形態をとる限り、いずれウナギを食べられなくなる日が来るのではないでしょうか。
自由に生き、最後は投獄されて自由をもぎ取られると、抗うように獄死した源内。もし現代の養殖ウナギを見たらきっと「なんてえあこぎな。放してやんなよ。ウナギだって、捕って食われるまでは自由に生きてえだろうに。」なんて言うような気がします。
ウナギをめぐる状況と対策について