さて、日本で最も有名な、計画的に作られた鎮守の森に囲まれているのは、明治神宮です。明治天皇が崩御された後、全国から明治天皇をお祀りする神社を建ててほしいという声があがり、建立に伴って鎮守の森も計画されたのだそうです。明治神宮に訪れたことがある方ならば、あの森が人工的につくられたものであることに驚くことでしょう。それもそのはず。明治神宮の鎮守の森の計画は100年後を見越したもので「永遠の森」を目指し、森がその土地の自然と同化して自分の力で生き続けられるようにと様々な調査や解析によって、その土地に根付く森づくりがなされたのです。大正4年(1915年)に工事が始まり、令和2年(2020年)で明治神宮鎮座100年を迎えます。そして、今現在の鎮守の森は、当初目指した森に仕上がっているのだそうです。来年は東京オリンピックも開催されるため、明治神宮を訪れる人も益々多くなることと思いますが、是非、鎮守の森が織りなす空間を味わっていただきたいと思います。
◆明治神宮