ダチョウの羽根は飛ぶ鳥とは異なり、羽毛がほぼ左右対称。均整のとれた正義の象徴として、古代エジプトやイギリス王室の紋章などにも用いられてきました。ローマ時代の高官たちから、中世には貴族の愛用品として大ブレイク! マリー・アントワネットやハリウッドスター、いまでは宝塚歌劇団のトップスターさんの衣装にも欠かせないアイテムに。ふわふわと柔らかくて優雅でゴージャス。「選ばれし者」のオーラは、選ばれた人々をも魅了してきたようです。さらに、羽軸を取ったあとのイボ模様(クィルマーク)のついたオーストリッチ皮革は、軽くて耐久性のある高級バッグなどで有名です。
ファッションだけではありません。ダチョウの羽根は静電気をおこさず、静電気も埃も取り除けることから、自動車業界や電子業界ではダスターとして重宝されています。ダチョウは食材としても、また近年「ダチョウマスク」やガン治療薬など医療分野でも注目されている、期待の星なのです☆
かつては世界のあちこちに住んでいたというダチョウ。現在、ダチョウ牧場は日本にもいくつかありますが、野生の生息地はアフリカのみ。絶滅も心配されているのです。たくましい脚とつぶらな瞳の鳥たちが広い大地を元気に走れるよう、応援してあげたいですね。
<参考文献・サイト>
『空を飛ばない鳥たち』上田恵介(誠文堂新光社)
『ダチョウ力』塚本康浩(朝日新聞出版)
『ナショナルジオグラフィック 日本版サイト』『日本オーストリッチ協議会』HP『横浜市立 野毛山動物園』HP