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「テアラロア」3,000㎞のロングトレイルって…どうやって計画するの?

テアラロアの計画方法サムネイル
ニュージーランドを歩く。情報収集の手段、計画にはガイドブック、紙地図、アプリ、様々な方法がある。どうやって計画していくのがベストか?

3.テアラロアの計画方法

こんにちわ。たかくら3(@takakura3twi)です。

今回は、ニュージーランドを縦断する3,000㎞のロングトレイル「テアラロア」どうやって計画するの編です。

3,000km。1日も休まず平均20km歩いて150日。5ヶ月。

正に文字通りの長丁場であります。ロングトレイルを歩くハイカーは、どうやって、そして、どれくらいの計画をして歩き出すのでしょうか。

すいません、実はそんなに綿密に計画を立てなかった

多くのTAハイカーは実はそんなに綿密に計画を立ててません(爆)。綿密な計画派の人いたらすいません、その楽しさも知っているのですが、ぼくの出会ったTAハイカーのうち、「○月✕日△曜日にドコドコに到着して〜どこでテント張って〜」というような具体的な計画をスタートする前から最後まで綿密に持っている人はあんまりみかけませんでした。

teararoa map whole
Cape ReingaからBluffをつなぐ赤線。100㎞と言われている大峰奥駈を30回分。長大すぎて、五ヶ月先の計画なんて無理。

というのも、トレイルが長大であることと、天気次第で予定を変更するため細かい計画を立ててもあまり意味がなかったりするからです。また予約が要るパートが極端に少なく自由度が高いこともテアラロアの特徴でありますから、結構「アドリブの連続」で、これが良かったとも思います。計画や予約にがんじがらめに縛られることなく柔軟で自在なメンタルで進んでいく。計画立てるのに時間かかりすぎて行動が遅くなるよりは、勢いも大切と割り切ってスタートするのもアリなように思います。

わたしを含めて多くのTAハイカーがそういう感じだと思いますが、そんななかにもポイントがいくつかあります。トレイルがどんな感じかイメージトレーニングしないと装備が決まらなかったり、色々と不都合です。今回の記事では、そのいくつかのポイントと、テアラロアを歩くにあたって参考になる情報について書いています。これを参考にしてもらえれば私より効率的に歩けること間違いなし。

テアラロアの資料

teararoa guide book
テアラロアの公式ガイドブック。計画はそんなにしなかったが、この本はしっかり読んだ。通勤の御堂筋線で読みながらイメージトレーニング、英語の勉強にもなる。

計画は立てませんでしたが、イメージトレーニングは結構しました。役立ったのがテアラロアの公式ガイドブック。ケープレインガからブラフまでを115のトレイルに区切って解説しています。テアラロアの成り立ちから歩き方、様々なTipsが含まれており面白いです。ただ、テアラロアは毎年ルートが少しずつ変わりますので、これで完璧になるわけではありません。第一、本は、重い。

ということでよく使うのは、Te Araroa TrustのWebサイトにあるこちらのトレイルノート。こちらも上記のガイドブックと同等の情報量で、参考になります。インターネット情報はルート変更にも対応できるので、更新性も本よりいいです。街に降りたらトレイルノートを見て次のセクションのイメージを具体的にして、行動食を決めたり、日数分の食料を持つ感じです。

つぎに、Arisa Nomaさんのブログ。私の2シーズン前にテアラロアをスルーハイクしたArisaさんの記録は詳細に渡り、イメージトレーニングにはもってこいでした。

※他にも有益な情報源がいくつかあるので掲載許可をいただいているところです。許可いただきましたら追加していきます。

ポイントその1「健康第一」

さて、ポイントですが、なんといっても「健康第一」です。無理せず自分の体力に合わせて歩いて、自分のペースで歩く。天気に合わせる。

目の前の一日を大切にしつつ、その先一週間から十日分くらいを調べながら前進していくのがロングトレイルのいい楽しみ方だと思います。

天気予報はmetviewで!

メットビューのスクリーンショット。赤いところが大雨。これを見ながら行動計画を立て、食糧消費も調整する。精度高い。結局、等高線やら等圧線ばかりを見ていたことになる。

天気次第で行動を変えることが、安全で、楽しく、健康を維持し続けながら歩くコツだと思います。晴れたときのほうが景色がよく写真も映えます。

電波が通じなくなることもしばしばあるので、電波が入ったらmetviewで気圧推移確認、スクリーンショット、を欠かしませんでした。このスクリーンショット癖も大いに役立ちました。

予定や計画をガチガチに決めてそれに合わせて動こうとする。このスタイルには、よく考えてあって安全なようで実は逆にリスクが潜んでいます。天気に対して柔軟になることをおすすめします。

天気に合わせて停滞する。天気に合わせて動く。あそこで星を見たいから、今日は刻んでここでテント泊する。すべて自由。ある意味とても贅沢な山行スタイルです。ロングトレイルの最大の醍醐味とも言えます。

大事なことなのでなんども繰り返しますが、「健康管理が第一」ですので、迷ったら、「健康なのはどっちか」を考えることをおすすめします。上の動画のようにネズミの出る石造りの古いハットで停滞したこともあります。雨で濡れて体調崩すよりネズミと寝た方がマシと考えました。本を読んだり、筋トレしたり、ハットの掃除をしたり。色々な時間の使い方ができます。掃除は特に気持ちいいですね。

ポイントその2「厄介な4つの『合わせ』」

厄介な4つの「合わせ」があります。潮、月、天気、曜日です。

1.潮合わせ SOBOの場合、序盤に多いのですが潮位を見る必要がある場所がいくつかあります。干潮の時間しか歩けないというものです。この時間をよく見ずに歩きだすと川を渡れずに立ち往生したり、川を渡っている間に水位が上がって危なかったりします。

tide
潮合わせを若干失敗した(忘れていた)TAハイカー達。

2.月合わせ 新月であれば星がキレイに見え、満月であれば日の入り後もある程度行動できます。「是非ここで星を見たい!」というポイントがあれば、月の巡りに合わせて行動を刻んだほうがよいです。

奥に見える鮮やかな青色の湖が有名なLake Tekapo。テアラロアの中で最高標高地点であるStag Saddleでテント泊することは事前に決めていた。新月かつ快晴を狙って。ここで見た星空は、宇宙だった。

3.天気合わせ 大雨が降ると川を渡れなくなって停滞を強いられるケースがでてきます。もちろん、晴れの日の方が歩いていて気持ちいいですね!ぼくはなるべく雨の日は歩かないようにしていました。食糧難にならないように天気と食糧の残量は常に意識しておくべきです。

Ahuriri
と、天気の大切さがわかっていてもどうにもならないときがある。天気予報が外れて、最も危険な渡渉Ahuriri riverの前日に雨が降り、本気で流されかけた。最大の反省点。本記事の最後に動画があります。

4.曜日合わせ これは町に出たときに重要になってきます。例えば郵便局。バウンスボックスを発送したい、受け取りたいのに閉まってる、営業時間外で動きが取れない!なんてことも結構あります。曜日感覚がなくなりがちですが、結構重要。時々Thirsty Thursdayなる謎のイベント(美味しい飲み物やハンバーガーが格安で食べられる)を開催していることもあるのでそういう情報を前もって手に入れられればそこに合わせて、モチベーションも維持しやすいというわけです。

thirsty thursday
「喉渇きの木曜日」と題されたイベントにたまたま参加できた。フランスのプロドキュメンタリーフィルムメーカー、ディランが美味しそうに飲み物を飲んでいる。

予約がニガテなあなたに朗報です。

多くのアウトドアマンは予約ゴトを嫌っている印象がありますが、そんな予約嫌いのあなたに朗報です。

テアラロアを歩くのに予約はほとんど不要です。

Cape Reingaから歩き始めるのも勝手にどうぞ。

Bluffでゴールするのもいつでも勝手にどうぞ。

という感じです。

ファンガヌイリバーの川下りの船の予約と、南島のマールボロあたりのクイーン・シャーロット・トラックという美しいトレイルがあるのですがそこくらいです。

カナディアン・カヌーをレンタルしてくれる業者が写真を撮ってくれた。川下りの経験があるというだけで英語が一番できない自分がリーダーとなり船の予約などを行った。

テアラロアで役立ったアプリの紹介

テクノロジーに感謝。スマートフォンとアプリは軽量化に大きく貢献します。私が全行程で紙地図を使ったのはごく一部で、それ以外はスマートフォンとアプリを使っていました。

teararoa app
テアラロアで使用したアプリ類。

色々な手法があると思いますし、以下に挙げるGuthookは賛否両論ありそう(便利すぎ?)ですが、私は紙地図はほとんど使わずこれらのアプリを使っていました。紙地図を使ったのは、街でモバイルバッテリーやウォールチャージャー、充電コードなどを盗まれて電子端末の危機が迫ったときくらいです。

「Geographica」
日本でも使えます。詳しくはGeographicaでググってみてください。かなり多機能です。操作は慣れが必要ですが、何度か助けられています。国内の山仲間も結構使っていました。ログもとれます。日本でも山歩きする人は一度ダウンロードしてみては。無料の範囲でも多機能です。

「The Trail App」無料
Trail noteが内蔵されているので便利。TAのホームページから都度ダウンロードする必要がない。Guthookより情報量落ちるがトポマップの表示もできるので無料で電子地図を使いたい人はこちらを。

「Guthook」有料
水場やテン場、リサプライなどあらゆる情報が載っている。歩いている人のコメント(ここの小屋のウォータータンク水なくなってるから手前で汲むべし、とか、ここの宿の人はフレンドリー!とか、ここの店は値段が高すぎるからもう少し歩いて別の店にいったほうがいい、とか)が随時更新される。最新情報を手に入れられる。結構値が張るアプリですがこれだけの情報量と更新性、ですので僕は重宝しました。5,000円くらいした気がします。北から南までの地図を購入するか、プリントアウトするかを考えると、アプリの値段も理解できます。今年トレイル上で会った人のほとんどが使っていました。僕は最初持ってなかったんですが、四日目、Cape ReingaからAhipara に着いたときに、「水の情報が軽量化に大きく貢献する」と判断し購入しました。

「ニュージーランド地形図」無料
読み込んだ地図をキャッシュで残しておけるので、上にあげた地図アプリがうまく拡大できないときに等高線をみるための予防線で使っていました。補助的に使っていましたので使用頻度は少なかったです。

「Avenza maps」無料
TeAraroaを歩いていて寄り道(Ruapehu登りたいな→ダウンロード、のように)したいときに使っていました。上二つのアプリがメイン稼働でこれも補助アプリです。

私のように電子端末に頼る場合は、「絶対に水没させないこと」と「パワーバンク(モバイルバッテリー)の容量」がとても重要です。僕の使っているスマホは4000mAhの容量。モバイルバッテリーはAnkerの20,000mAhのものでRichmond山脈(最長区間、7~9日充電できない)も乗り越えられました。ほかにデジタル機材を持つ人にとってはこのあたりは大きな悩みどころかと思われます。

スクリーンショットが何枚か残っていましたので紹介します。

水マークの沢からは水を汲むことができる。半分のは枯れがちな沢。
沢沿いのルート。足が濡れるんだな、と前日に諦める。
渡渉ルート。あぁ足濡れるのね。もう濡れてるけどね。
どうせ足濡れるなら公式ルート外して沢登り。読図ができると遊びの可能性もぐっと広がる。
標高差も確認できる。大峰奥駈でも同じような看板を見かけましたねぇ。どぎついアップダウン。

以上の情報を参考に、安全第一、健康第一でトライしてみてはいかがでしょうか。

この記事のまとめを英語で♪

~すぐに役立つ!~\TeAraroa English/

●Nothing is more important than health.

●If you don’t like the weather in New Zealand, just wait a few minutes.

●It depends on the weather.


ニュージーランド南島はクライストチャーチで留学エージェントを立ち上げラジオプロデューサーとしても活躍しているNaokoさんに記事にしていただきました。こちらもご覧ください。

本記事はここで終わりです。

ご質問はたかくら(@takakura3twi)まで、どうぞ。

ここまで読んでいただきましてありがとうございます。

〜おまけ〜 TA公式ルート上で最大の渡渉がAhuriri Riverです。他にも大きな川があるのですが、それらは大きすぎるので迂回が推奨されています。ここは行けるんじゃないかと思って進んだのですが、最も命の危険を感じたところで、猛反省しています。天気合わせの失敗によるものです。安全第一です。

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