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「ぐるぐる回る」流しそうめん 湧き水循環「半永久型」発案

 岐阜県郡上市白鳥町前谷の阿弥陀ケ滝。付近の空気まで清らかに感じる名瀑(ばく)だ。渓流を300メートルほど下った先に店を構える流しそうめん専門店では、美しい森とせせらぎの中で味わう独自の流しそうめんが人気となっている。自然豊かな岐阜だからこそ可能なスタイルだ。


 一般的に流しそうめんといえば、竹を割って組んだといを使い、上から下にそうめんを流し、途中で麺をすくって食べる。これは九州発祥という。郡上でも地元住民は夏の風物詩として、滝の近くで流しそうめんを普通に楽しんでいた。それを商売として始めたのが、専門店「阿弥陀ケ滝荘」現店長の遠藤寿彦さん(44)の父吉和さん(79)。同級生とともに1962年に看板を上げた。滝の風情と流しそうめんがぴったり合った。


 ところが、商売としては課題が多かった。上から下に向けて麺を流す方法では、麺を投入する人がとい1本につき1人が必要。2本並べて1人で同時に扱うなど工夫したが、効率化には限界があった。


 といを毎年新調していた上に、資材や食材を担いで道路から滝までの険しい道のりを歩くのも重労働だった。いろんな課題を解消するため、吉和さんは道路に近い、現在の店の位置に目を付けた。


 営業スペースを広げるため整地を進めると、地中から平らな石が大量に出てきた。さらに近くで湧き水も発見した。「これで流しそうめん台を作れる。全国にもきっと例はない」と思い立ち、石を組んだ台に湧き水で麺を流す方法を編み出した。


 両端がつながる2列の水路を作り、水とそうめんがぐるぐる回るようにする。さらに両端から常に新しい湧き水を注ぐ一方、古い水は流れ落ちる。麺を入れる手間だけで済み、効率的、衛生的でもある。湧き水が枯れない限り半永久的に水が流れる仕組みで「誰も見たことがないものを作ってしまった」と吉和さんは胸を張る。水質についても折り紙付き。飲んでもおいしい水だ。まさに郡上ならではの水の恵みを生かせる新スタイルの流しそうめんになった。


 近年は会員制交流サイト(SNS)で一層名が知られるようになった。寿彦さんは「周辺施設の充実とともに、ツーリング客や大学生がよく来るようになった」と話す。斜面を切り開いて店舗面積を拡大したことで、4台だった流しそうめん台も6台に増設。最も長い約6メートルの台を含め、80~90人ほどが同時に座ることができ、団体客の利用も増えた。


 寿彦さんに店が代替わりした時に、吉和さんが「元祖流しそうめん発祥の地」と刻んだ石碑を建てた。息子を後継者として認めた証しだという。「郡上発」の流しそうめんのスタイルにも、岐阜の魅力の一端が垣間見える。

岐阜新聞社

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