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鮎の人工ふ化省力化 岐阜県水産研、パイプ状装置で試験成功

 伊勢湾から遡上(そじょう)する天然鮎になる仔(し)魚を卵からかえす人工ふ化装置の実証試験が、今月から三重県桑名市の長良川河口堰(ぜき)の魚道脇で始まっている。大掛かりな人工河川を使った人工ふ化・放流事業の省力化に向けた岐阜県水産研究所(各務原市)の取り組み。最初の受精卵はふ化に成功しており、同研究所は「3~4年で装置によるふ化に移行したい」と期待する。


 試験中の装置は、神奈川県水産技術センターのワカサギのふ化技術などを応用。直径15センチ、高さ約1メートルの透明パイプにろ過した河川水を通し、受精卵を入れると9~10日でふ化する。仔魚は水流に乗り自ら堰の下流に流れ出る仕組み。


 自然の産卵場所は河口から約50キロ上流の岐阜市周辺で、河口堰付近は水温が2度ほど高いことや、水質が落ちる点が懸念されたが、今月13日に入れた30匹分の受精卵(約56万7千粒)の3~5日後に目が現れた発眼率は100~93%と高確率だった。


 これまでの人工ふ化は、岐阜市で捕獲した親鮎の卵を漁場脇で人工授精し、シュロの皮の繊維に付着させて発眼した頃に河口堰右岸に運搬。長さ100メートルの人工河川にシュロごと漬けてふ化させていた。


 ふ化装置に移行できれば、受精卵を川にさらして管理する工程や人工河川に胸まで漬かって延べ3千本のシュロの泥を除く毎日の作業を省くことができ、事業を担う漁協組合員らの負担軽減が期待される。


 本年度は、直径30センチの大型の装置への投入や、受精卵の継ぎ足しの可否などを約300~350匹分で試し、将来的に装置への全面移行を目指す。


 長良川の鮎の人工ふ化は大正時代から行われてきたとされるが、1995年の河口堰の運用開始後の遡上数や漁獲の急減を受け、2005年からは流域7漁協でつくる「長良川漁業対策協議会(漁対協)」などが河口堰近くでふ化・放流事業を続けている。


 県水産研究所の藤井亮吏資源増殖部長(48)は「(ふ化事業を担う)漁協の組合員は高齢化して人手不足だが、ふ化装置なら体力のない人でも扱うことができる。持続的にふ化事業を行うことにもつながるのではないか」と話している。

岐阜新聞社

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