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ペット連れOKの避難所広がる 国も推奨、一方で「動物嫌いの人も」「ふん尿の処理どうする」の声 台風14号で鹿児島県内は43市町村のうち15市町で開設

 災害時にペット連れ可の避難所を開設する自治体が増えている。大規模災害が頻発する中、ペット連れを理由にした避難控えや車中泊による健康被害を防ごうと、国も避難所での受け入れを推奨する。鹿児島県内を17〜19日に襲った台風14号では、県内全43市町村のうち15市町が開設。一方、見送った自治体からは「場所の確保が難しい」「動物嫌いの避難者もいる」などの声が上がった。

 台風14号の風雨が強まり始めた18日午後。阿久根市が開設した避難所の一つ、同市赤瀬川の農村環境改善センターには、ペットの犬や猫と過ごす避難者の姿があった。自営業牟田春香さん(49)は「これまで避難時に犬を受け入れるところが見つからず、車中泊したこともある。今回は本当に助かった」と胸をなで下ろした。

 市によると、台風14号の接近前に飼い主からの問い合わせが相次いだため、ペット連れ専用の避難場所を初めて本格設置した。最大7家族が利用したという。中野貴文総務課長は「ペットが理由で避難所に行けない人を減らすため、今後も環境の整備を進めたい」と話す。

 県内ではほかに5市町が初めてペット可の避難所を設置し、計15市町が小学校跡地や役場車庫、県立高校などを活用した。南九州市は知覧武道館を会場として、ハザードマップや防災無線、緊急速報メールで周知。犬猫など5匹と飼い主が身を寄せた。鹿児島と日置、薩摩川内の3市は全ての避難所でペットを認めた。

 専用の避難所を設けなかったのは28市町村。複数の自治体の担当者から「アレルギーや好き嫌いがあり、避難者同士でトラブルが起きかねない」「ふん尿の臭いの処理をどうするか」などの悩みが聞かれた。

 2016年の熊本地震では、ペットと共に過ごすため避難所を敬遠し、車中泊を選ぶ人が続出。エコノミークラス症候群など健康上の問題が浮上した。災害時は動物が飢え死にすることもある。このため国はペットと避難できる環境を整えるよう推奨している。

 奄美市にペット同行可の避難所を求め、21年9月に住民らと署名を提出した獣医師の佐藤花帆さん(29)は「避難で長時間離れ離れになると、人にも動物にも悪影響が出る」と指摘。「災害リスクが多い鹿児島だからこそ、整備を進めてほしい」と話した。

■専門家「平時から周知を」

 熊本地震などでペット支援に当たった動物環境科学研究所(福岡県)の船津敏弘所長(65)は、全ての自治体がペット連れ可の避難所を開くのが理想だと強調。その上で自治体に対し「動物が好きな人も苦手な人も、自分で避難所を選べる仕組みを整えて」と平時からの周知を呼びかける。

 船津さんは「動物を飼う世帯は20〜25%に上っている」と指摘。避難所の環境が整えばペット連れの避難が進み、ペットを飼っていない人の避難行動を促すことにもつながるという。

 避難所には「小学校跡地」を勧める。比較的安全な場所で部屋が複数あるからだ。「普段から会議室などとして使って」と提案。災害時は行政が忙殺されるため、「避難所を飼い主が運営できるよう事前講習を開くといい」と助言する。

 ほとんどの避難所で、飼い主はケージの持参が必要だ。船津さんは普段からケージにタオルなどを入れ、ペットの臭いを付けておくようアドバイスする。「自分の臭いがすると落ち着くことができる。おやつをケージの中であげるなどして、良い印象を結びつけておくことも有効」とした。


ペットと一緒に避難する住民=18日、阿久根市赤瀬川の農村環境改善センター




愛犬と一緒に避難所に身を寄せる住民=18日、阿久根市赤瀬川の農村環境改善センター




(別カット)愛犬と一緒に避難する住民=18日、阿久根市赤瀬川の農村環境改善センター



南日本新聞 373news.com

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