飛行機は台風を避けるの?欠航の基準や「台風の真上」を飛べるのか解説
台風が接近すると飛行機の欠航や遅延が増えますが、影響を受けるのは空港周辺だけではありません。飛行ルート上に台風がある場合は迂回飛行が行われたり、状況によっては台風の上空を通過したりすることもあります。
この記事では、台風シーズンに欠航が増える理由や、離着陸時・巡航中の航空機への影響、台風と飛行機の関係について解説します。
台風の月ごとの進路
春先は低緯度で発生して、そのまま西側のフィリピン方面へと進むことが多いですが、夏になると発生する緯度が高くなり、太平洋高気圧のまわりを回って日本に向かって北上する台風が多くなります。8~9月にかけて、日本列島に接近しやすい経路に変化していきます。ただ、8月は上空の風がまだ弱いため、台風は複雑な動きをすることが多いです。9月になると日本の南海上から放物線を描くように日本付近を通るようになり、上陸数としては年間で最も多い月となります。
台風シーズンの欠航は多いのか
過去5年分のどの年度をみても、7~9月に欠航率が高くなる傾向があります。
航空会社によって、就航地や運航便数が違うことや天候理由の中には、台風以外のこともあるので一概には言えませんが、台風が日本に接近・上陸しやすい7~9月は欠航便数が多くなることがわかります。南西諸島を中心に運航している航空会社だけに注目すると、7~9月の天候理由の欠航率が高い傾向がより強まるため、台風の影響が大きいと考えられます。
令和元年は、10~12月の欠航率が高く他年度と違う傾向が見られますが、これは「令和元年東日本台風」と呼ばれる台風19号の影響が大きいです。台風19号は10月12日19 時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸した後、関東地方を通過し、10月13日未明に東北地方の東海上に抜けました。10月11日~13日の3日間で羽田空港・成田空港を中心に欠航便が多くなり、合計3177便が欠航しました。
※特定本邦航空運送事業者…客席数が100又は最大離陸重量が5万kgを超える航空機を使用して行う航空運送事業を経営する事業者をいう。
〈出典〉
令和元年台風第19号等に係る被害状況等について(内閣府)
離着陸中の航空機や地上にある航空機に与える影響
運航会社や飛行機の種類によって基準が違うので、一概にどのくらいの強さの風・雨になったら欠航というのは難しいですが、風・悪天の影響は以下の通りです。
◆風・視程などの天気の影響
飛行機は風に向かって離着陸をしていますが、滑走路の向きによっては横からの風や追い風の中で離陸することになります。横風が強い状態では、滑走路の中心に沿って安定した姿勢で走行・離着陸がすることが難しくなります。また追い風の状況下では、必要な滑走路の長さが長くなってしまいます。台風通過後は、吹き返しの風といって、逆方向から強い風が吹くため、台風が通過後も風向が急変する強い風に注意が必要です。
風の制限値は、滑走路の状態や航空会社、飛行機の種類によって変わりますが、15m/sを超える横風が吹くと欠航率が大きくなると言われているため、台風の強風域が空港にかかる場合は注意が必要です。
◆発達した積乱雲に伴う悪天の影響
発達した積乱雲の接近に伴い、強風だけでなく乱気流や雷、雹などにも注意が必要で、台風接近時には安全運航のため、離着陸が中断することがあります。
◆駐機中の航空機への影響
台風ほどの強い風が吹くと、地上作業の車だけでなく、地上に駐機している飛行機も風にあおられてしまったり、飛ばされたものが飛行機にぶつかり、損傷を与えるリスクがあります。
◆地上作業への影響
積乱雲は雷を伴うこともあり、雷が空港周辺で観測されている場合は、地上作業者の安全を第一に確保する必要があります。駐機場に誘導する人や貨物の搭降載を担当する人も作業を中断する必要があるため、雷が空港付近に急接近したり、空港の直上にある場合は、地上作業が止まることにより、到着や後続便の遅れが発生します。
また風が強い場合も、搭降載などを行う地上作業者の安全を確保するために、作業を中断することがあります。
巡航中の航空機に与える影響
巡航中の飛行機が台風を避けるかは、場合によります。
一般的に、台風を構成する発達した積乱雲は、高度10~15kmまである背の高い雲であるので、飛行機が雲の中に入ってしまわないよう避けることが多いです。
一般的な飛行機の最大巡航高度は約12.5kmのため、台風の中には飛行機の巡航高度より雲頂が低い場合もあり、この場合は台風の上空を飛行機が通過することもあります。台風の雲の上空を飛行できる場合でも、飛行するかは航空会社のポリシーにより異なります。
台風が接近していないところでも欠航になることも
◆遅れが積み重なることによる欠航
台風により離着陸に時間がかかったり、台風を迂回した経路を飛行したことにより遅れが積み重なると、後続便も遅れることになるため、直接台風の影響がない空港でも欠航になることがあります。
◆翌日の初便が欠航
台風ほどの強い風が吹くと、地上に駐機している飛行機も風にあおられたり、風に飛ばされたものが飛行機にぶつかりダメージを負うリスクがあるため、台風が接近してくる空港に飛行機を駐機させない対応をとることがあります。すると、台風が通過したとしても空港に飛行機がないため、翌日の初便が欠航することもあります。
まとめ
台風が日本に影響を及ぼす時、台風の影響を直接受けない空港でも欠航となる可能性があります。巡航中の台風は避ける場合が多いですが、航空会社によっては近くを通過する場合があります。台風シーズンは、余裕をもった旅行計画を立てるのが良いでしょう。

