国内での死亡例も! 野生の「マダニ」が媒介する恐ろしい感染症とは?
2015年06月12日
肉眼でも見える体長1~10ミリの「マダニ」
さらにもうひとつ、ここ近年、厚生労働省が注意を呼びかけているのが、野生の「マダニ」が媒介するウイルス性の感染症です。この感染症にはまだ特効薬がなく、重症化して死に至るケースも報告されています。
マダニから身を守り、恐ろしい感染症を防ぐための注意点をまとめてみました。
致死率35%の怖い感染症「重症熱性血小板減少症候群」
このマダニが媒介する感染症のひとつが、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」です。潜伏期間は10日前後で、発症すると発熱・下痢・嘔吐などの症状のほか、血小板や白血球が急激に減少して死に至ることもあります。
国立感染症研究所によると、日本国内で初めてSFTSの患者が報告された2013年以降、これまでに全国で110人の患者が報告され、うち32人が亡くなっています(2015年4月現在)。まだ有効な治療薬やワクチンがなく、重症化した患者に対しても対症療法でしか対応できていないのが現状です。
野外から帰ったら全身をチェック&体調の変化に注意!
皮膚に硬いゴマのような虫が食いついていたら、マダニの可能性大。食いついている頭部が残らないように、できるだけ根っこの部分からはがすようにして取り除きます(うまく取れない場合は、無理にはがさず皮膚科などの病院へ)。
その後、潜伏期間の10日間ぐらいは体調の変化に注意し、発熱などの異常があればすぐに病院へ行くことが重要です。
肌の露出を減らして、ダニの侵入経路をシャットダウン
また、サンダルなどの履き物はNG。足にフィットしたアウトドアシューズや長靴を履き、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れます。同様に、シャツの裾や袖口もズボンや軍手の中に入れ、首にタオルを巻いてダニの侵入経路を遮断すれば、より効果的です。
これからの時期、人間もダニも活動が活発になります。楽しい夏のアウトドアレジャーで、恐ろしい感染症にかからないためにも、まずは入念な予防対策が重要といえそうです。
※参考/厚生労働省HP、国立感染症研究所HP(ともにリンク先参照)