オリオン座流星群2024 今年の観測条件は「△」 見頃・特徴・観測のコツは?
2023年10月20日
この記事では、オリオン座流星群の見頃や観測にあたってのポイントのほか、オリオン座流星群の特徴や魅力といった基本情報も紹介します。ぜひ、秋の星空観察の参考にしてください。
オリオン座流星群2024の見頃はいつ?
★10月20日の夜おそく~翌21日明け方頃
★10月21日の夜おそく~翌22日明け方頃
■根拠①「極大」
オリオン座流星群は、例年10月から11月にかけて活動が活発になります。
今年の極大(天体活動のピーク)は、10月21日頃と予想されています。
■根拠②「月明かりの影響」
天体観測には、月明かりの無い真っ暗な夜であることが望ましいです。
しかし、今回の極大時、20日夜・21日夜は満月過ぎの大きな月が闇夜を一晩中照らしてしまいます。そのため、晴れたとしても条件はあまりよくありません。
■根拠③「放射点」
流星群の流星が四方八方に流れるその中心となる点のことを「放射点」と呼びます。
20日夜・21日夜、オリオン座流星群の放射点は、ともに21時頃から昇り始め、翌明け方4時頃に最も高度が高くなる見込みです。
■1時間あたりの流星数
最高の条件で観測できた場合、1時間に最大で10個程度の流星が観測できる可能性があります。しかし今年は「月明かりの影響」があるため、実際にはこれより少なくなるでしょう。
オリオン座流星群の特徴・魅力は?
■オリオン座流星群の魅力
まず魅力として挙げられるのは、オリオン座自体が冬の夜空を代表する星座である点です。1等星が2つ、2等星が5つと明るい星々で構成されるオリオン座は、横一列に並ぶ三ツ星など、目をひく美しさと大きさを誇ります。
■オリオン座流星群の特徴
そしてオリオン座流星群は流星の速度がとても速く、明るいという特徴もあります。肉眼でも見やすく、長く明るい火球を伴うこともあるため、手軽に楽しく観測できる流星群のひとつとして人気です。約1ヶ月もの長い期間にわたって活動するピークがなだらかな流星群で、極大日の前後数日間にも観測チャンスがある点も魅力といえるでしょう。
美しく雄大な姿で冬の訪れを伝えてくれるオリオン座流星群を観測して、ぜひ季節の移り変わりを肌で感じてみてください。
オリオン座流星群2024の見どころとおすすめの観測方法は?
■オリオン座流星群2024の活動期間
10月2日〜11月7日にかけて活発となり、10月21日頃に極大となる予想です。
■おすすめの観測時間
★10月20日の夜おそく~翌21日明け方頃
★10月21日の夜おそく~翌22日明け方頃
がおすすめです。
■どの方角を見上げるのがよいか
実は、観測する方向を気にする必要はありません。流星群は、オリオン座の北側から放射状に現れます。とはいえ流星は放射点のある方向だけではなく、夜空のどこにでも出現します。そのため、放射点の方向にこだわる必要は特にありません。ただし、月入り前の時間帯は、月のある方向を正面にしての観察は避けることをおすすめします。放射点付近では短い軌跡の流星が多く、放射点から離れた方向では長い軌跡の流星が多く観察される傾向にあります。
■放射点はどこにあるか
オリオン座流星群の放射点はオリオン座の赤い1等星「ベテルギウス」のすぐ近くにあります。
■流星観測のポイント
流星は、放射点を中心として四方八方へ放射状に飛び出すように流れて見えます。また、流星が流れる速度が速いこともオリオン座流星群の特徴です。そのため一点だけを注視するのではなく、空全体を眺めることが観測のポイントです。暗い場所で15分ほど目を慣らしたあとで、広い範囲の夜空を見渡してみてください。
■観測場所のポイント
観測場所は、街灯や月明かりの光を避けられる場所を選びましょう。木々に囲まれた場所よりも、できるだけ空が大きく見渡せる開放的な場所のほうがおすすめです。また、オリオン座流星群の出現時期は夜風が冷たくなる季節です。身体も冷えやすいため、十分に暖かい服装で観測するようにしましょう。
オリオン座流星群の基本情報をおさえて観測の満足度を高めよう
■オリオン座の基本説明
オリオン座流星群は、ハレー彗星を起源とする流星群です。ハレー彗星とは公転周期75.3年で地球に接近する彗星のことで、オリオン座流星群は、このハレー彗星が地球の近くを通るとき、残した微粒子が地球の大気中に入り、焼き尽くされることによって発生します。
■1時間当たり出現数の変遷
オリオン座流星群は、毎年10月2日から11月7日ごろにかけて出現します。1時間あたりの流星出現数が20個を超えることは珍しいのですが、2006年には1時間あたり60個以上、観測者によっては100個を超える流星数が観察されています。この理由としては、約3000年前にハレー彗星から放出された塵が地球軌道に接近したことによって流星数が増加したため、という研究報告があります。
■今年は?
残念ながら現在では流星の出現数は落ち着きを取り戻していますが、2024年のオリオン座流星群は、条件がよければ1時間に約5〜10個の流星を観測できるチャンスがあります。
ロマンあふれる注目イベント「オリオン座流星群」の観測で秋の夜空を満喫しよう!
参考:国立天文台、AstroArts