初夏の北海道、畑に整然と並ぶジャガイモの花が見ごろ
2023年06月06日

ジャガイモの花はどれも同じではなく、品種によって色が違います。北海道旅行の途中で出会ったジャガイモの花を見て、これはどんな品種のジャガイモなのか推理するのも楽しいかもしれませんね。
男爵イモ/花は淡い赤紫色、花びらの先が白い。1本の茎に多数の花

男爵イモの花は淡い赤紫色で、花びらの先が白くなっています。花の中心の黄色い部分は雄しべで、1本の茎に多数の花をつけます。
ジャガイモの花というのは、あまり注目されませんが、花が咲くということは収穫時期のサインになります。花が枯れて、周りの葉の7~8割が黄色くなって枯れてきたころが、収穫の目安になるのです。
台所で放っておいたジャガイモから芽が出てしまった、ということがよくあります。皮の表面から頭を出した小さな芽は、最初は紫色ですが、そこから葉が伸びていくと濃い緑色になり、やがて花が咲きます。芽が出てしまったジャガイモはそのまま庭やプランターに植えると、ぐんぐん育ち、わりと簡単に実をつけるので、お試しあれ。
メークイン/花は濃いめの紫色、花びらに絞り染めのような白い斑点

メークインの花は濃いめの紫色をしています。花びらをよく見ると、絞り染めのような白い斑点が散在し、先端がやや白くなっています。
実から出てくる芽は男爵イモと同じように紫色をしていますが、伸びると茎は緑色になり、赤紫色の斑点が現れます。茎の長さが男爵イモよりも長いので、畑で両者が並んでいたら、メークインのほうがちょっと目立つかもしれませんね。
キタアカリ/花は濃いめの赤紫色。男爵イモの系統でホクホクの食感

花の色は、男爵イモよりも濃い赤紫色で、花びらの先が男爵イモのように白くなっています。芽には赤紫色をした斑点があり、大きくなる前の葉は紫色を帯びています。
家で保存しておいたジャガイモから芽が出てしまったとき、品種がよくわからないけど、とりあえず庭やプランターに植えてみて、伸びてきた芽や葉、花の色によってその品種がわかる、という楽しみ方もおもしろいかもしれませんね。
マチルダ/花はやや大きめの白。小粒で形がいい品種。ホールポテトに

マチルダは煮くずれしにくいので煮物にも適していますが、油で揚げると黒く色が変わってしまいがちなので、揚げ物には向いていません。形はキウイフルーツのような卵形で、芽のくぼみが浅く形が整っているので、冷凍のホールポテトなどの加工品などに適しています。
かつては、サラダやホールポテトには味が劣る小ぶりの規格外のジャガイモが使われていましたが、1985(昭和60)年にスウェーデンからマチルダが導入されると、小粒でもおいしいこの品種がサラダなどに使われるようになりました。元々小さめの品種なので、小粒は冷凍ホールポテト、中粒は冷凍ベークドポテトなどに加工されています。

参考
北海道 農政部生産振興局:じゃがいもの主要品種紹介
丘のまちびえいDMO:Be my BIEI「ジャガイモの花畑」
日本いも類研究会「じゃがいも品種詳説」
北海道ファンマガジン:【保存版】北海道花暦(花カレンダー)-いつどんな花が咲くの?