日本で一番雨が降る都道府県はどこ? 雨が多く降るメカニズムについても解説!

2024年の年間降水量No.1は静岡市

2024年の年間降水量を表した地図を見てみると、1位は静岡市の3753.5 mmでした。台風10号による大雨の影響もあり、静岡市は圧倒的な記録となりました。降水量が最も少ないのは仙台市の1027.5 mmで、1位の静岡市は47位の仙台市の3.65倍の降水量でした。
静岡市は2024年の年間日照時間も長い

静岡市と高知市は「よく晴れるし、よく雨も降る」

高知県も静岡県も、南側は太平洋に接していて、北側は大きな山地があります。太平洋から暖かく湿った空気が流れ込むと、その空気は北側の大きな山地にぶつかります。山地にぶつかると、暖かく湿った空気は地形によって強制的に上昇して、気温が下がり水蒸気が凝結して、一気に雨を降らせるのです。逆に、この地形によって北側からの湿った空気はブロックされるため、特に冬は雲が流れ込みにくく、よく晴れます。
岡山はなぜ「晴れの国」といわれるのか?

ここでちょっと話を変えて「岡山県はなぜ『晴れの国』といわれるのか?」についてご紹介します。岡山市の2024年の年間日照時間は全国15位の2188.7時間と、とびきり日照時間が長いわけではありません。年間降水量も38位の1459.5 mmと、とびきり降水量が少ないわけでありません。それなのに「晴れの国」というのは、何故なのでしょうか。
実は岡山県は「日照時間が長い場所No.1」「降水量が少ない場所No.1」ではなく「降水量1ミリ未満の年間日数」が多いのです。
平年値の降水量1ミリ未満の年間日数を表した地図を見てみると、岡山市は1位の276.7日で、1年の3/4以上雨が降らないという計算になります。47位の富山市は186.7日で1年の半部近くの日雨が降っているという計算になります。同じ日本でも、1位と47位でこんなに雨の日数に差があるのです。
2024年の降水量1 mm未満の年間日数No.1も岡山市

岡山県で降水日数が少ない理由を簡単に説明しますと地形が関係しており、一般的に「瀬戸内海式気候」と呼ばれます。瀬戸内海は北に中国山地、南に四国山地が横たわり、これによって季節風が遮られます。海からの湿った空気が岡山にたどり着くときには、山地を越えるときに多量の雨や雪を降らせるので、降水日数が少なくなります。
年間降水日数が多いのは日本海側の地域が目立ち、富山市や金沢市は特に際立っています。日本海側の場合「降水」の中に雪が含まれることが多いので「雨の降る日数が多い」とはちょっと言いづらいですが、定義上降水日数が多いことになります。
「降水」一つとっても、量に注目するか日数に注目するかで結果が異なります。中々興味深いですね。