新しい防災気象情報、3か月でどこまで浸透?
警報や注意報の名称に警戒レベルの数字が付くようになったほか、警戒レベル4相当の情報として「危険警報」が新たに加わるなど、災害の危険度や取るべき行動をより分かりやすく伝えるための見直しが行われています。
運用開始から約3か月。新しい防災気象情報は、どのくらい浸透しているのでしょうか。また、実際に「以前より分かりやすくなった」と感じられているのでしょうか。
tenki.jpでは、こうした新しい防災気象情報の浸透状況を探るため、アンケートを実施し、976名の方からの回答をいただきました。「認知」「理解」「分かりやすさ」の3つの視点から、その結果を見ていきます。
①警報・注意報の「レベル」表示は広く浸透
例)
レベル3大雨警報
レベル5氾濫特別警報
「レベル」は、災害の危険度と取るべき行動を5段階で示したものです。警報・注意報とレベルをセットで伝えることで、情報を受け取った人が、どの程度危険な状況なのか、どのような行動を取るべきなのかを、より直感的に理解しやすくなりました。
運用開始から約3か月で、新しい防災気象情報の大きな特徴である「レベル表示」は、回答者の約9割に認知されていました。さらに、半数以上が「数字の意味も知っていた」と回答しています。
新しい表示方法そのものは、広く認知されていることが伺えます。
②新設の「危険警報」は75%が認知
危険警報は、警戒レベル4に相当する防災気象情報です。災害が発生する危険性が高まっていることを示し、危険な場所にいる人が避難する段階にあたります。
危険警報の追加を知っていたのは75%、危険警報がレベル4であることまで合わせて認知している方も半数以上に上り、新しい防災気象情報の浸透は進んでいると言えそうです。
③「全員避難」のタイミング 4人に1人が「レベル5」と誤解
「レベル4=危険な場所から全員避難」を理解していた人は約6割に上りましたが、4人に1人が「レベル5」と回答しており、避難のタイミングについては正しい理解が十分に広がっていないことも伺えます。
レベル5は、すでに災害が発生または切迫している状況です。レベル5になってから避難を始めるのではなく、危険な場所にいる人はレベル4までに避難することが重要です。
④「大雨警報」の対象を正しく答えられたのは1割
正解は、「中小河川など、洪水予報河川以外の河川の氾濫や洪水」と「下水道や水路からあふれた水による浸水」の2つです。
アンケートでは、それぞれ「中小河川の氾濫や洪水」と「道路冠水や低い土地の浸水など」を選べている人が多かった一方で、大雨警報・危険警報の対象ではない「大河川(洪水予報河川)の氾濫や洪水」と「崖崩れや土石流などの土砂災害」を選んでいる人も多く、それぞれ約2人に1人が選択していました。
正解の2項目だけを選んだ人は、約1割にとどまる結果となっています。
新しい体系では、従来の「洪水警報・注意報」が廃止され、洪水予報河川の氾濫は「氾濫警報や危険警報」で、それ以外の河川の氾濫や低地の浸水は「大雨警報や危険警報」で伝えられます。また、従来は大雨警報などに含まれていた土砂災害も、「土砂災害警報や危険警報」という独立した情報になりました。
以前の情報と分類が変わったり、一部は情報名からだけでは把握しにくかったりすることもあり、今回の結果からは、新しい情報名と対象となる災害の関係について、まだ混同が多いことが伺えます。
災害の種類によって危険な場所や取るべき行動は異なります。情報が発表されたときは、レベルの数字だけでなく、「大雨」「氾濫」「土砂災害」など、何を対象とした情報なのかも確認できるようにしておきましょう。
⑤新しい防災気象情報 約6割が「わかりやすくなった」と回答
「とても分かりやすくなった」が19%、「やや分かりやすくなった」が43%となり、合わせて約6割が「分かりやすくなった」と回答しました。
一方、「変わらない」は19%、「分かりにくくなった」と回答した人は合わせて11%でした。また、「新しい防災気象情報を知らないので比較できない」とした人も9%いました。
今回の見直しでは、警報や注意報などの名称に「レベル」の数字が付くようになるなど、危険度と取るべき行動の関係を分かりやすくする変更が行われましたが、アンケート結果からは、こうした変更を肯定的に受け止めている人が多いことが伺えます。
「知っている」から、いざという時に「行動できる」へ
一方で、「危険な場所から全員避難」とされる警戒レベルを正しく回答できた人は約6割でした。また、「大雨警報・大雨危険警報」が対象とする現象についても回答が分かれるなど、情報の名称や存在を知っていることと、その意味を正しく理解していることには、まだ隔たりがあることも見えてきました。
防災気象情報は、知っているだけではなく、いざという時に「自分にどのような危険が迫っているのか」「いつ、どのような行動を取るべきなのか」を判断するために活用されることが重要です。
今回の結果は、情報を発信する私たちtenki.jpにとっても、新しい防災気象情報をお伝えするだけでなく、その意味や使い方まで、より分かりやすく伝えていく必要があることを改めて考える機会となりました。
今回のアンケートで、理解が十分に広がっていないことが見えてきたポイントを含め、防災気象情報を正しく理解し、実際の防災行動につなげていただくための情報発信を続けていきます。
<調査概要>
調査対象:tenki.jpユーザー976名
調査期間:2026年8月25日(火)~8月30日(日)

