二十四節気「清明」。いよいよお花見本番へ!春季玲瓏・春満開の日本です
2017年04月04日
暦の上では晩春に。卯月となり、緑輝き生命が清らかに輝くころ
寒気のせいで冷え込む日が多かったこのごろですが、気が付けばいつの間にか春の日差しを浴びて、草木はぐんぐん緑の芽や葉を伸ばし、可憐な春の花たちが次々と開いています。
~万物発して清浄明潔なれば、此の芽は何の草としれる也~(暦便覧より)
今年はこれからが、お花見の本番。いつ見ごろになるだろう、まだかまだかと気になってきた桜も、いよいよ満開に。
うららかな陽光と春風に誘われて、浮き浮き弾む心で春欄満の花景色の中へでかけましょうか。
中国の国民的行事の一つ「清明節」は、あの世とこの世が交わるとき
冬至から106日目。中国では「清明節」と呼ばれ、花見気分の墓参と、若草を楽しむ郊外散策&小旅行を行う日となっています。死者を弔う日が、種まきの季節と重なることから、ほがらかで陽気な墓参となっているようで、墓前でお供え物を囲んでの宴会も賑やかなのだそう。眩い陽光と満開の花のもと、あの世の者とこの世の者が境界を越え、賑やかに交感するこの日。いにしえより「清明の出会い」なるものも生まれ、新たな命の誕生にも繋がってきたのだそうです。
沖縄では、そんな中国から伝わったままの先祖供養のしきたり「清明節(シーミー)」が今も残っていて、家族・親族一同で先祖が眠る墓前に集います。掃除や草刈りをした後は、墓前にゴザを敷いてごちそうをいただく、ピクニックのようなひとときを楽しむのだとか。子孫たちが笑顔で仲良く会食する様子を、きっと、天の上からご先祖様たちが見守っていることでしょう。
七十二候・清明の初候は幸運の鳥「玄鳥至~つばめきたる~」
つばめの訪れは、昔から商売繁盛、家内安全の印。軒先につばめが巣を作る家は栄えるという言い伝えもあり、毎年その飛来を楽しみにしているお宅も多いことと思います。
地上が萌え出る新緑と花で満ち、蝶が舞い、鳥たちが飛び交う「清明」のころ。
花といえば桜を思うこの国が、最も麗しく華やぐ花時が、今年もやってきたのです。
現代こよみ読み解き事典(柏書房)、一陽来復(井波律子著・岩波書店)