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台風19号の動き遅く 関東や東北は27日以降も高波注意 うねりの怖さとは

2025年09月26日17:40

日本気象協会 本社木村 雅洋

日本のはるか東にある台風19号は、依然として動きが遅くなっています。今後も日本に近づくことはなさそうですが、関東や東北の太平洋側には、台風からのうねりが届くため、明日27日以降も波の高い状態が続く見込みです。

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台風19号は日本のはるか東で「ほとんど停滞」

台風19号は今日26日午後3時現在、日本のはるか東で「ほとんど停滞」しています。ここ数日は台風を押し流す上空の風が弱いために、なかなか動けない状態が続いています。ただ、明日27日以降はようやくスピードを上げて、北よりに進む予想となっています。

日本に接近することはありませんが、関東や東北の太平洋側には台風からのうねりが届いているため、今日26日の午後5時現在も広く波浪注意報が発表中です。

台風が離れていても注意 海岸付近で急激に高まる「うねり」

高波は大きく分けて2つあります。

海上で吹いている風によって生じる波を「風浪(ふうろう)」と呼びます。風浪は風によって発達するため、台風や低気圧の周辺で多く見られ、個々の波の形状は不規則で尖(とが)っており、強風下ではしばしば白波が立ちます。

一方、風浪が風の吹かない領域まで進んだり、海上の風が弱まったり風向きが急に変化するなどして、風による発達がなくなった後に残される波を「うねり」と呼びます。うねりは衰弱しながら伝わりますが、波長や周期が長いために水深の浅い所では海底の影響を受けやすく、海岸付近で急激に高波になることがあります。また、うねりは伝搬距離が長いため、台風や低気圧から離れた所でも影響が出ることがあります。

関東や東北の太平洋側では、明日27日以降も、台風19号からの「うねり」が届く見込みです。海水浴シーズンは終わったものの、海岸などへ出かける予定のある方は十分な注意が必要です。

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日本気象協会 本社気象予報士/熱中症予防指導員

木村 雅洋

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