栗は風味の良さだけではなく、昔から「栗の能、腎補うて気をば増し、胃腸腰脚(ようきゃく)骨を強うす」といわれ、滋養豊富な食材として知られていました。日本では縄文時代には主食として用いられ、農耕が行われるようになってからも、飢饉に備えた非常食として栽培されていたといわれています。
栄養面では、ビタミンB1、B2、ビタミンC、カリウムなどが充実。たんぱく質も含まれ、食物繊維が豊富です。栗に含有するビタミンCは、でんぷん質に守られているため、加熱しても失われにくい特徴があります。
渋皮にはポリフェノールの一種、タンニンが含まれるので、渋皮を付けたまま調理するのも良いですね。夏の疲れが残りがちな今の時期は、主食に栗の滋養を補う栗ごはんや、うなぎ、鶏肉、里いもとの組み合わせもおすすめです。
一定期間貯蔵して甘みを引き出した「貯蔵栗」も評判を呼んでいますね。貯蔵熟成された栗のシーズンは、10月中旬から12月頃にかけてとなっています。自宅でも、購入した栗を冷蔵庫のチルド室(0度前後)で保存すると甘味が増すそうです。この秋は、品種も意識して、栗の多彩な味わい方を楽しみましょう!
・参考文献
吉田企世子『旬の野菜の栄養辞典 最新版』エクスナレッジ
・参考サイト
農研機構「栗」農研機構「ぽろたん」旬の食材百科熊本県地産地消サイト茨城をたべよう いばらき食と農のポータルサイト:
https://www.ibaraki-shokusai.net/season/season_kasamakuri.php