さてつい最近の2014年、日本列島ではじめて、カンブリア紀の地層の存在が確認されました。場所は茨城県日立市から太田市にかけての山間部、宮田川不動滝の銅鉱床。その年代は、5億3300万年前という画期的に古いものでした。ゴンドワナ大陸の東端にあった火山地帯の溶岩が茨城北部の基盤を作りあげ、次第に今の日本列島の土台となる地域が形成され、およそ2500万年前に大陸から分離して、「日本列島」ができあがった、と考えると、茨城北部のこの地域は、日本のはじまりの地である、と言ってもいいのかもしれません。この地層から将来カンブリアの怪物たちの化石が見つかり、日本にもアノマロカリスが生きていたとわかる日が来るかもしれないと思うと夢が広がりますね。
ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (スティーブン・ジェイ グールド 早川書房)
カンブリアンモンスター図鑑 カンブリア爆発の不思議な生き物たち (千崎達也 秀和システム)
茨城県で発見された、日本で最も古い5億3300万年前の地層