増えているように感じるムクドリですが、全国的な調査では、住宅地率が高い地域では増えていても、本来住んでいたはずの森や畑の多い農地では減少しているという結果が出ています。理由はいくつか推測できますが、農地や田舎がムクドリたちにとって、かつてより住みやすい場所ではなくなったこと、逆に都市部では、その環境に適応した特定の昆虫類が増加しているという二極化が見られ、これがムクドリが都市に集中する原因になっているかもしれません。
ムクドリを駆逐してしまえ!ではなく、たとえば駅前ロータリーのシンボルツリーに大集合するムクドリたちをいかにして分散させるか、我が家に巣がけされるのをどう防ぐか、といった、ほどほどの対策こそがのぞましいのではないでしょうか。そのためには、ムクドリたちが営巣しやすい樹木を増やすことがまず肝要です。
近年では治安維持の名目で街路樹をまるで棒きれのように強剪定してしまうことが各地で行われていますが、そのようなことをすればするほど、わずかに残った大きな木にムクドリたちは集合してしまいます。
住宅の巣がけには、彼らが嫌う木酢液(炭焼きの際に生じる樹液)をポイントに設置するなどの対策も提案されています。決して強くはなく、懸命に生きている弱い小鳥と共存する道を考えるのも、人の使命ではないでしょうか。
(参考・参照)
熊本の野鳥百科 大田眞也 マインド
江戸川区 西葛西駅のムクドリ対策について減少しているムクドリやスズメ 全国鳥類繁殖分布調査の結果から話すムクドリ