高速道路の登坂車線を走行する際に注意したいポイントを3つ紹介します。
■1. 速度制限に注意する
登坂車線は高速道路上に設置されているものでも、本線とは異なり一般道と同じとみなされます。
そのため、法定速度も道路交通法第11条に基づき、60km/時が最高速度となります(速度標識がある場合はそちらが優先されます)。[注2]
登坂車線は高速道路の本線に隣接しているので混同しがちですが、必ず標識などで制限速度を確認し、それを超えるスピードを出さないよう注意しましょう。
■2. 登坂車線では追い越しできない
道路交通法第28条では、「車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両の右側を通行しなければならない」と定められています。[注3]
登坂車線は最も左側に設置されますので、登坂車線を使って本線上を走っている車を追い越すことは違法となります。追い越しについて定めた第28条に違反すると、同法第117条規定により、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があります。
合わせて、交通違反の罰則として違反点数2点、反則金9000円(普通車の場合。大型車は12,000円)が科せられます。[注4][注5]
登坂車線では車両の追い越しを行わないよう注意しましょう。
■3. 駐停車は原則として禁止
登坂車線は一般道と同じ扱いと説明しましたが、高速道路上に設置された道路であることに変わりはありません。
道路交通法第75条では、高速道路上での駐停車を原則として禁じていますので、たとえ登坂車線であっても理由なく駐停車するのはNGです。[注3]
車両の故障や事故、あるいはドライバーの体調不良などでやむを得ず駐停車しなければならない場合は、必ずハザードランプを点滅させ、停止表示板を設置することを徹底しましょう。
[注2]
e-Gov法令検索:道路交通施行令[注3]
e-Gov法令検索:道路交通法[注4]
警視庁:交通違反の点数一覧表[注5]
警視庁:反則行為の種別及び反則金一覧表