紫外線の大半は角膜や水晶体によって吸収されますが、全体の1~2%の紫外線は水晶体を通過し、網膜まで到達すると言われています。
紫外線が網膜にまで到達すると、以下のような症状が現れるリスクがあります。[注1]
■紫外線角膜炎
強い紫外線を受けたときに見られる急性の角膜炎症です。
症状は24~48時間で収まりますが、紫外線角膜炎になると白目の充血や異物感、涙目などの症状が起こります。悪化すると目に強い痛みを感じる場合もあり、日常生活に支障を来すおそれがあります。
■翼状片
白目の部分が増殖し、翼状に角膜に侵入する病気です。
白目が瞳孔付近まで進展すると、視力障害を来すおそれがあります。
農業や漁業従事者などに多く見られる症状であることから、戸外での活動時間が長く、紫外線の影響を受けやすい人ほど発症リスクが高くなると考えられています。
治療には外科手術が必要です。
■白内障
水晶体が濁り、網膜まで光が届かなくなる病気です。
初期では水晶体が硬化して老眼が進行し、悪化すると視力の低下、さらに進行すると失明に至るおそれがあります。治療には濁った水晶体と眼内レンズを置き換える手術が行われます。
[注1]
環境省:紫外線環境保健マニュアル2020