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<2017年お天気総決算③>日本気象協会が選ぶ2017年お天気10大ニュース・ランキング 6~10位

[PR]2017年12月08日

tenki.jpラボでは、今年も毎年恒例の「日本気象協会が選ぶ2017年のお天気10大ニュース・ランキング」を発表します!2017年最も印象に残ったお天気ニュースは「九州北部で大雨による被害(平成29年7月九州北部豪雨)」となりました。
ここでは、6位から10位について発表します。
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6位 遅い梅雨入り・早い梅雨明けで雨少なく

今年の梅雨入りは、かなり遅い地方が多くなりました。東北南部の梅雨入りは6月30日ごろで、1951年の統計開始以来最も遅くなりました。梅雨明けは、関東甲信以西では早い地方が多くなりました。一方、北陸地方は遅く、東北地方は時期が特定されませんでした。また、今年の梅雨入り・梅雨明けは、当初の発表から日にちが大きく見直されました。東北地方では、梅雨入りが6月21日に発表されましたが、確定値は東北南部が6月30日ごろ(平年より18日ほど遅い)、東北北部が7月1日ごろ(平年より19日ほど遅い)となりました。関東甲信地方では、梅雨明けが7月19日に発表されましたが、確定値は7月6日ごろ(平年より15日ほど早い)でした。梅雨の時期の降水量は、関東甲信以西では少ない地方が多くなりました。一方、北陸地方と東北地方では多くなりました。

■今年の梅雨入りと梅雨明け(確定値)
https://tenki.jp/rainy-season/9.html

7位 1月・2月は記録的寒波と大雪、相次ぐ

1月14日から15日にかけて、秋田の上空約5100メートルには、-46.1℃の記録的な寒波が襲来しました。日本海側を中心に大雪になり、雪雲は太平洋側まで流れ込みました。15日は、広島で積雪19センチ(1883年の統計開始以来7番目の深さ)、京都でも積雪14センチを記録し、センター試験に挑む受験生に影響を及ぼしました。その後、1月22日から24日と2月9日から12日にも冬型の気圧配置が強まり、強い寒気が流れ込みました。西日本から北日本の日本海側を中心に大雪に見舞われ、各期間に降った雪の量(累積降雪量)は100センチを超えた所もありました。鳥取県智頭町では、1月24日に積雪111センチ(1981年の統計開始以来2番目の深さ)の記録的な大雪になるなど、鳥取県内の国道や高速道路で数百台の車が一時立ち往生する事態になりました。

■2017年1月の雪の記録
http://www.tenki.jp/past/2017/01/?selected_type=amedas&amedas_type=snow

■日直予報士「広島市内など平地で積雪増加」(2017年1月15日)
http://www.tenki.jp/forecaster/diary/deskpart/2017/01/15/62942.html

8位 3月下旬なのに関東甲信の山地で大雪、なだれも発生

3月26日から27日は、日本の南海上を低気圧が発達しながら進み、さらに上空には、この時季としては強い寒気が流れ込んだため、関東甲信地方の山地で大雪になった所がありました。積雪の深さは、栃木県の奥日光中禅寺湖畔で41センチ、那須高原で34センチを記録し、那須のスキー場では、なだれが起こって人的被害が発生しました。那須高原では27日0時の時点で積雪0センチでしたが、その後一気に雪が積もり、10時には34センチの積雪になりました。那須高原で30センチ以上の積雪を3月下旬以降に記録したのは、1990年の統計開始以来2度目のことです。また、27日は東京都内でもみぞれが降り、真冬のような寒さになりました。

■2017年3月27日奥日光中禅寺湖畔の雪の記録
http://www.tenki.jp/past/2017/03/27/amedas/3/12/41166.html

■2017年3月27日那須高原の雪の記録
http://www.tenki.jp/past/2017/03/27/amedas/3/12/41011.html

■日直予報士「関東甲信 山沿いで大雪 雪崩も」(2017年3月27日)
http://www.tenki.jp/forecaster/diary/deskpart/2017/03/27/67891.html

9位 北海道で7月に記録的猛暑

北海道地方は、7月上旬から中旬にかけて各地で記録的な暑さになりました。7月15日は特に記録的な暑さで、北海道内6地点で観測史上最も高い日最高気温を観測し、34地点で7月としては1位の日最高気温を観測しました。帯広では、7月1日から15日の15日間のうち、真夏日が11日間、うち5日間は猛暑日となり、13日から15日は猛暑日が3日続きました。また、15日は帯広が全国で最も気温が高く、37.1℃を記録しました。帯広の7月の日最高気温は平年で23.5℃なので、非常に厳しい暑さだったと言えます。また、7月7日から10日は札幌で4日連続の真夏日となりました。札幌で7月上旬までに3日以上続けて真夏日になるのは125年ぶりで、こちらも記録的な暑さでした。

■2017年7月15日の全国の気温のようす
http://www.tenki.jp/past/2017/07/15/amedas/

■日直予報士「30度以上 全国の8割超 今年最多に」(2017年7月15日)
http://www.tenki.jp/forecaster/diary/deskpart/2017/07/15/76021.html

10位 桜の開花ゆっくり、週末は雨のお花見

例年3月は、関東以西では日中の気温が20℃以上の暖かい日がありますが、今年は東京・大阪・広島・福岡などで20℃を超えた日がありませんでした。このため、桜の開花・満開ともに、関東以西で平年よりも遅い地点が多く、静岡・高知・大分・熊本・宮崎などでいずれも平年より1週間以上遅くなりました。特に鹿児島では、開花が4月5日(平年より10日遅い)、満開が4月15日(平年より11日遅い)と、いずれも1953年の統計開始以来最も遅い記録になりました。
さらに東京都心の桜は、ソメイヨシノとしては全国トップの3月21日に開花(平年よりも5日早い)しましたが、3月の低温の影響を受けて桜の開花は足踏み状態に。開花から12日後の4月2日にようやく満開となりました。また、桜が満開を迎えた翌日から週末にかけては、東京・名古屋・大阪・福岡など各地で雨の日が多く、お花見にはあいにくの天気となった所が多くなりました。

■春らしくなかった3月・・・2017年3月の天候まとめ
http://www.tenki.jp/forecaster/diary/m_hiraide/2017/03/31/68171.html

■桜の足音ゆっくり・・・2017年4月の天候まとめ
http://www.tenki.jp/forecaster/diary/mary/2017/04/30/70291.html
④一般の方が選ぶ2017年印象に残ったお天気ニュースへ>>


「2017年のお天気10大ニュースランキング」は、気象を中心に、地象や水象などの日本気象協会が取り扱う情報の中から、日本気象協会に所属する気象予報士が、2017年(2017年11月上旬まで)に特に印象に残ったニュースとして選んだものです。(気象予報士100名が印象に残った順に1位から5位を選び、その投票結果を順位によって重み付けを行い、ポイント化したものをランキングにしております。)

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