シャチやイルカは、昼寝行動中のマンボウで遊ぶことが知られています。プカプカとお昼寝中のマンボウに体当たりして、泳ぎ去っていくのがよく目撃されているそうです。じつはマンボウ、天敵から逃げ回る行動は確認されていますが、反撃する行動は確認されていません。そもそも敵に襲われても逃げないことすらあるといいます。心の傷は大丈夫なのでしょうか…。
また、マンボウは魚にはめずらしく「まぶた」があって、刺激の「予感」を感じてつぶる? ともいいます。水槽の中にいるマンボウからは、人が見えるのだそうです。泳ぎながら見つめ返してくれるような、不思議に温かい気持ち…マンボウには、他のお魚では味わえない、感情の交流のようなものがあるような気がします。そしてときに、水底に横たわって口をパクパクさせていたり、壁に顔を当てたままじっと固まっていたりと「ひょっとしてこのまま死ぬのか?」という一抹の不安を誘う挙動からも、目が離せません。
マンボウは飼育が非常に難しく、国内の水族館などで最長飼育記録を競っています。そんな状況のため、わからないことだらけのお魚なのですね。マンボウに逢える水族館(現在では茨城県の大洗水族館や大阪府の海遊館など)は、とても貴重な存在。そして「予期せぬ急なお別れ」や「体調不良」も多いので、お出かけの際はあらかじめ生存・展示の確認をおすすめします。
最弱伝説をきっかけに、マンボウがつい気になってしまう人が続出して、そのおかげでマンボウのことがいろいろ解明されて、元気なマンボウさんにいつでも逢えるようになったらすてきですね! 興味のある方は、参考の書籍や水族館のホームページもぜひのぞいてみてくださいね。
〈参考文献・サイト〉
『マンボウのひみつ』澤井悦郎(
岩波ジュニア新書)
『マンボウのヒミツ』
海遊館 HP
『日本最大! マンボウの専用水槽』
アクアワールド 茨城県大洗水族館 HP