「全天一明るい」シリウスは、宇宙でいちばん明るい星なのでしょうか? もちろんそういうわけではなく、これは地球から見たときの明るさという意味です。もっとも、シリウスはマイナス1.5等星で普通の一等星より6倍も明るい星なのです。しかも北半球から見える星としては地球にもっとも近い、8.6光年の距離にあります。とても明るい上にとても近いので、あんなにギラギラ輝いて見えるのですね。
ところで空には、2つのシリウスがあるのをご存じでしょうか?
私たちが見ているのは「シリウスA」。じつはそのまぶしい光に隠れて、暗くて小さい白色矮星「シリウスB」がまわっていたのです(これを伴星といいます)!
シリウスBはかつて、シリウスAより明るく輝いていたともされます。ところが進化が早すぎて、たちまち年老いてしまい、現在は死骸のような状態に…。地球よりちょっと大きいくらいなのに、重さはなんと太陽なみという驚異の密度をもつ星なのだそうです。
シリウスBは、楕円形を描いて約50年周期でシリウスAのまわりをまわっています。明るいシリウスAの近くを通るときには、まぶしすぎて望遠鏡でもよく見えません。ですが、いまは離れた位置にいるため、観察するチャンスなのだそうです。シリウスBがどれだけ目立たないのか見てみたい♪ という方は、下記リンクの動画ものぞいてみてください。
大三角形をつくっている2匹の犬は、「冬のダイヤモンド」にも参戦しています。冬の星空は本当にゴージャスですね。夜の浅い時間にお散歩しながら見上げたり、ベランダや窓からも楽しんだり。おうち時間に、親しめる星をぜひ見つけてみてはいかがでしょうか。
※『動画で撮影したシリウスB』は
こちら(阿南市科学センター)
※『冬のダイヤモンド』は
こちら(県立ぐんま天文台)
〈参考文献〉
『星座の神話』原 恵(恒星社厚生閣)
『藤井旭の星座と星座神話 冬』藤井旭(誠文堂新光社)
『奇妙な42の星たち』岡崎彰(誠文堂新光社)