
気象台は4月22日、3カ月の予報を発表しました。平年より気温が高くなる予報となっています。そのメカニズムと対策について光岡気象予報士の解説です。
(光岡香洋気象予報士)
「この先の気温傾向、そして注意点で解説していきたいと思います。
まずは、2024年の夏の映像です。2024年は本当に暑くなりました。35度以上の猛暑日となった日数が、岡山県高梁で50日、高松で48日、岡山で47日と過去最多となりました。
その原因が、日本付近で偏西風が持続的に北に位置したため、西日本中心に背の高い暖かい高気圧に覆われ続けました。そして、太平洋高気圧の張り出しも強まったんですね。チベット高気圧と太平洋高気圧が重なり、熱が非常に逃げづらくなりました。また、日本近海の海面水温が顕著に高かったことも影響して全国的に猛暑となりました。
そして、2025年も厳しい暑さとなっていきそうです。
4月22日に発表されました気象庁の3ヶ月予報、5月から7月の平均気温ですが、全国的に赤の「高い」予想となっています。
では、月別に見ていきたいと思います。まず、5月は「平年並み」か「高い」予想となっていますが、5月の頭は極端に暑くなる可能性があります。そして、6月、7月は赤の「高い」予想。7月は最高気温。平年でも32度あります。7月下旬には、もう猛暑日となる恐れがあります。
この気温が上がる理由ですが、こちらをご覧ください。
まず、熱帯太平洋の海面水温が平年よりも高い状態が続いていきそうです。その影響で、大規模な風の流れ。偏西風が平年よりも北に位置します。この影響で、2つの高気圧、チベット高気圧が平年よりも北側に、太平洋高気圧が日本への張り出し強まっていきそうです。このチベット高気圧と太平洋高気圧、2025年も重なり合って、二重の布団効果で非常に熱が逃げづらい。暑い日の典型的な気圧配置がなりやすくなるんですね。
そして、この時期にも熱中症には注意となっていきそうです。熱中症になりやすい場所ですが、やはり日差しの強い屋外です。暑くなったら日陰に、または日傘などを活用してください。そして車の中ですね。外気の気温が25度ぐらいでも、車内では50度を超える場合があります。短い時間でも子供やペットを車の中に放置しないようにしてください。
そして、これからの時期、暑熱順化が重要となっていきそうです。
暑熱順化は、熱中症の危険が高まる前に汗をかいて体を暑さに慣れることです。ジョギングやウォーキングなど適度な運動を15分から20分くらいから始めてみましょう。そして、シャワーだけではなく、湯船にお湯を張って入浴するようにしてください。しっかり汗をかく習慣をつけていきましょう。
そして、日本気象協会から「暑熱順化前線」というのも発表されました。四国では5月上旬、そして中国地方でも5月中旬となっています。まさに今の時期から暑さに慣れていったほうが良さそうです。
暑熱順化には個人差があります。数日から2週間程度かかると言われています。本格的に暑くなる前から熱中症になりづらい体をつくっていくようにしましょう。