さて、「てるてる坊主」というと軒下につるすイメージがありますが(最近ではマンションが多いので軒下がないことも多いのですが)、実はもっとふさわしい木があるそうです。それは南天の木。
のど飴で有名な南天は、その読み方が「なんてん」= すなわち「難を転ずる」という語呂合わせから、縁起のよい木としても知られています。
火除けのまじないとして庭や玄関先に植えられたり、鬼門に植えるとよいともいわれ、少し前までは多くの家で植えられていたなじみの深い木です。また、南天の葉には殺菌効果もあるようで、ちょうど梅雨の時季に、体調を崩さず元気に過ごせることへの祈りの意味も込められて植樹しているケースが多いようです。こうした点から、いろいろな意味で「てるてる坊主」をつるすのに適した木といえそうです。
晴れたら顔を描いてあげる点は、願いが叶ったら目を入れるだるまさんに似ていますし、最後は川に流すあたりは雛人形の流し雛を連想させます。庶民的すぎて気がつきませんでしたが、「てるてる坊主」ってすごい人形なのかもしれません。今度雨が降った日には、久しぶりに作ってみようかな?と思いましたので、みなさんもお出かけ前に
tenki.jpで天候確認時、降水確率が高かったら、「てるてる坊主」を作ってみては。
── 日本では雨乞いをはじめ、晴天を乞う儀式をお坊さんなどが行っていたことから「てるてる坊主」の名になった説もありますが、そういえば、だるまさんも雛人形も工芸品。プロの職人さんが手がけた芸術的な「てるてる坊主」って存在するのでしょうか? 今度、調べてみますね。