
2018年の西日本豪雨の被災地、倉敷市真備町に、復興のシンボルと言われる「こいのぼり」がお目見えしました。5月のイベントに向けて準備を進める地元の人たちの思いを取材しました。
このこいのぼりは、地域の人たちから贈られたもので、20年ほど前から毎年「真備美しい森」で行われる5月のイベントに合わせ、地域の人たちの手であげられています。
(真備美しい森を守る会 土屋瞳さん)
「コロナと災害があったので、なかなかイベントができなかった」
7年前の西日本豪雨からしばらく、こいのぼりはあげられませんでした。
(真備美しい森を守る会 土屋瞳さん)
「皆さんからもらったこいのぼりを、もう一回あげよう、元気づけようと、自分たちも元気になるという感覚で始まっている」
土屋瞳さんも西日本豪雨の被災者です。被災後、住民の防災意識を高めようと防災マップの見直しや地域の絆をつなぐためまつりを企画するなど、活動を続けてきました。3年前、ようやくこいのぼりをあげるイベントが再開し、準備に参加することにしたのは、地域の復興を願う特別な思いがありました。
(真備美しい森を守る会 土屋瞳さん)
「「ここがあるから」「みんなに会えるから来たよ」と言ってくれる。災害でまだ違う所にいる人、真備町に家が建てられなかった人もここには来てくれる」
災害を乗り越え、再び真備町の空を泳ぐこいのぼりは、復興だけでなく、地域の人たちをつなぐシンボルにもなっています。かつては200匹を超えるこいのぼりがあげられていましたが、素材の劣化が進み25年は約150匹。それでも地域の人にとっては、特別なこいのぼりです。
(真備美しい森を守る会 土屋瞳さん)
「皆さんで来てもらえることが私の喜び」
イベントは5月5日のこどもの日に行われ、こいのぼりは5月10日まで鑑賞できるということです。