「雄弁」は、枝先に花が集まって咲き、華やかで堂々としていることから。「愛嬌」「不用意」は、サルでも滑りそうなほどツルツルとした幹に因んで付けられました。
韓国に伝わる悲しい物語に由来するといわれる、「あなたを信じる」。ある娘を救った王子は、「百日後には必ず戻る」と約束して旅立ちました。ところが、戻った時にはすでに娘は亡くなっていたのです。やがて、娘の墓がある場所から木が生え花を咲かせました。その花は、百日もの間咲き続けました。この伝説が「百日紅」の由来といわれています。
日本でも、夏から秋にかけて長く花を咲かせる姿に心情を重ねた俳句や短歌が詠まれています。
散れば咲き 散れば咲きして 百日紅 加賀千代女
炎天の 地上花あり 百日紅 高浜虚子
萩の花 既に散らくも 彼岸過ぎ 猶咲き残る さるすべりかも 正岡子規
身近な街路樹や庭木として、私たちの目を楽しませてくれるサルスベリ。すでに実を結んでいる地域もありますが、もう暫く花を見られるところも多いと思います。花言葉や由来する物語を思いながら、サルスベリの木を眺めてみるのも一興でないでしょうか。
・参考文献
フルール・フルール『花言葉・花事典』池田書店
・参考サイト
花キューピット日比谷花壇