先日、
宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区の今をお伝えしましたが、今回は、宮城県南三陸町を、2014年と2018年の2回にわたって取材したようすをお伝えします。
南三陸町は、宮城県北東部にある町です。リアス式海岸である三陸海岸に位置するこの町は、過去にも何度も津波による被害を受けてきました。
リアス式海岸では、V字型で奥に行くほど狭くなるため、幅が狭くなる分、波が一箇所に集まって高くなりやすい性質があります。
昭和35年にはチリ地震による津波で被害が出るなど、海外の地震による津波被害も発生しており、数十年に一度は津波による影響を受けてきた地域でした。
それゆえ、津波に対する防災意識も非常に高い町でした。
しかし、そのような意識をもっていた町でも、東日本大震災では、想定をはるかに超えた自然の猛威に襲われました。
浸水高は15.9mにまで達していたと推定され、人口約1万7000人の町で、620人(2018年2月現在)の方が亡くなりました。また、約70%の住宅がほぼ全滅しました。